2026年1月2日金曜日

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサーX』(1982年)「消えたクルーゾー&行方を追うニュースキャスター」

ダイヤ「ピンク・パンサー」が盗まれ、フランス警察の珍警部が捜査する。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.内容

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサーX』(1982年)「消えたクルーゾー&行方を追うニュースキャスター」

またしても中東の国ルガシュ(架空の国)の博物館からダイヤ「ピンク・パンサー」が盗まれる事件。パリ警察のジャック・クルーゾー警部へ捜査依頼。クルーゾーはチャールズ・リットン卿(実は「怪盗ファントム」)による犯行と考えてロンドン、ルガシュへ向かうが消息不明に。ニュースキャスターのミス・ジュヴェ(ジョアンナ・ラムレイ)が「クルーゾー失踪」を取材。ドレフュス主任警部(ハーバート・ロム)、使用人ケイトー(バート・クウォーク)、元部下エルキュール(グレアム・スターク)、リットン卿(デヴィッド・ニーヴン)らを訪ねて情報を集めるが・・・。


2.トリビア

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサーX』(1982年)「消えたクルーゾー&行方を追うニュースキャスター」

ピーター・セラーズが1980年に死去。その後、「過去の映像(『ピンク・パンサー3』用に撮影されたが使用されなかったフィルム)」と「新撮」で製作されたのが、この『ピンク・パンサーX』(原題: Trail of the Pink Panther)。そして翌年、『ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ』につながります。監督はおなじみブレイク・エドワーズ、音楽ヘンリー・マンシーニ。日本では劇場未公開。ロケ地はニース、バレンシア、イビサ、コルティーナ・ダンペッツォ、カサブランカほか。ロンドン「パインウッド・スタジオ」も使用。「ルガシュ」のシーンはパリで撮影。セラーズの未亡人リン・フレデリックは「この映画はセラーズの評判を落とすもの」としてプロデューサーと「MGM/UA」を相手に300万ドルの訴訟を起こし、100万ドル以上の損害賠償を獲得(権利関係がややこしい映画。日本では長らく公開もソフト化されなかったのはそれが原因か?)。ただし、「公開の差し止め」請求は却下された。「総集編」的な内容で、シリーズおなじみの顔もあれば、懐かしの「あの人」も。デヴィッド・ニーヴンは一作目『ピンクの豹』以来の出演(しかし、声の不調により、芸人リッチ・リトルによって吹き替えられた)。クルーゾーを裏切っていたシモーヌ(キャプシーヌ)も『ピンクの豹』以来の出演。「クルーゾーの父親(リチャード・マリガン)」も登場。セラーズ本人が登場する『3』の未公開シーンがやはり見せ場。映画は消化不良のまま終わりますが、その結末は『ピンク・パンサー5 クルーゾーは二度死ぬ』へ。『X』と『二度死ぬ』は並行して撮影が行われた(二本でセット)。ただし、共に興行的に失敗。「セラーズ死去後のピンク・パンサー」にファンは興味が無いようだ。

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2025年12月21日日曜日

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー4』(1978年)「フランスのどんくさ警部が犯罪組織に襲われる」

フランス警察の珍警部が犯罪組織の「勢力誇示」のために襲われる。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.ドジ男

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー4』(1978年)「フランスのどんくさ警部が犯罪組織に襲われる」

巨大ダイヤ「ピンク・パンサー」を窃盗犯から奪回するなど様々な実績で世間から認められているフランス警察のジャック・クルーゾー主任警部(ピーター・セラーズ)。しかし、今回はそれが原因でフィリップ・ドーヴィエ(ロバート・ウェッバー)率いる麻薬組織「フレンチ・コネクション」から命を狙われる。


2.キャラ

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー4』(1978年)「フランスのどんくさ警部が犯罪組織に襲われる」

このところ落ち目のドーヴィエ。ニューヨーク・ギャングからそれを指摘されて憤慨。クルーゾーを始末することによって「組織力」をアピールしたい考え。しかし、秘書シモーヌ・レグリー(ダイアン・キャノン)を怒らせて敵に回してしまう。美女シモーヌはドーヴィエ配下の殺し屋に襲われてクルーゾーと連携。フランス警察の元署長ドレフュス(ハーバート・ロム)は精神病院からカムバック。「クルーゾー殺害事件」を捜査。クルーゾーの使用人ケイトー(バート・クウォーク)は相変わらずのバカっぷり。クルーゾーを襲撃してアパートを壊したり、潜入捜査でパン屋に突っ込んだり。ただ、香港では敵を追跡する活躍。他に、クルーゾーの部下フランソワ(アンドレ・マランヌ)、香港の殺し屋ミスターチョン、ニューヨークの「ゴッドファーザー」スカリーニ(ポール・スチュアート)&幹部マルチオーネ(ロバート・ロッジア)ら。


3.トリビア

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー4』(1978年)「フランスのどんくさ警部が犯罪組織に襲われる」

監督ブレイク・エドワーズ、音楽ヘンリー・マンシーニ。ピーター・セラーズが急死したため、これがセラーズ最後の『ピンク・パンサー』に。また「ユナイテッド・アーティスツ」が単独で配給したシリーズ最後の作品(同社は公開から 3 年後に「メトロ・ゴールドウィン・メイヤー」に吸収された)。予算は1200万ドル。監督エドワーズは前作『ピンク・パンサー3』で使用されなかったフィルムで『ピンク・パンサー4』を制作するつもりだったが、セラーズが新たに撮影することを主張(ことごとくスレ違うエドワーズとセラーズ。昔から不仲)。結局、『3』の未使用フィルムは『ピンク・パンサーX』で使用された。少し違和感がある内容。『ピンク・パンサー3』で消滅したはずのドレフュスが登場。どうやらこの『ピンク・パンサー4』は時系列的に『ピンク・パンサー2』と『ピンク・パンサー3』の間に起こった出来事を描いたようです。ロケはパリ、ニース、イギリス「シェパートン・スタジオ」、香港。特に面白いのが香港。現在とは全然違うレトロな香港の町が見られます。何だかんだ言って『ピンク・パンサー』を愛したセラーズ。『ピンク・パンサーのロマンス』(仮題)の脚本を書いて「エドワーズ抜き」で制作するつもりだったが、1980年7月に死去して幻の作品に。結局、シリーズはエドワーズによって続けられることになった。次作は『ピンク・パンサーX』(1982年)。セラーズの生前の未使用フィルムに期待。

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2025年12月14日日曜日

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー3』(1976年)「フランスのどんくさ警部が元上司に襲われる」

フランス警察の珍警部が精神病院を抜け出した元上司に最新兵器で襲われる。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.ドジ男

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー3』(1976年)「フランスのどんくさ警部が元上司に襲われる」

前作から三年後。フランス警察のジャック・クルーゾー主任警部(ピーター・セラーズ)。実にどんくさい男であるが、上司のドレフュスが精神的に参ってしまったため「主任警部」に昇進。精神病院から退院間近のドレフュスに決定的なダメージを与えてしまう。


2.キャラ

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー3』(1976年)「フランスのどんくさ警部が元上司に襲われる」

以前からクルーゾーにイラついてきたドレフュス(ハーバート・ロム)。ゲートボールの玉、インディアンの矢を頭に食らってついにキレてしまう。世界中から名のある犯罪者(強盗ソニエ、ほか)を集め、銀行からカネを奪い、世界的な科学者とその娘を誘拐。レーザー兵器を作り、世界を脅迫。その目的は「クルーゾー抹殺」(たかが一人を殺すために大変な計画を立て、実行)。そんなドレフュスに協力するのは強盗の常習犯ソニエら。レーザー研究の権威ファスベンダー教授(リチャード・バーノン)は娘を人質に取られてドレフュスにやむなく協力。教授誘拐事件を捜査する英国のクインラン警視はクルーゾーのドジで被害。他に、世界各国の殺し屋(レスリー・アン・ダウン、オマー・シャリフ、小人、ほか)、ホテルのフロント係(グレアム・スターク)、おなじみフランソワ(アンドレ・マランヌ)、ケイトー(バート・クウォーク)。アメリカ大統領ジェラルド・フォード、国務長官ヘンリー・キッシンジャーのソックリさんも登場。


3.トリビア

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー3』(1976年)「フランスのどんくさ警部が元上司に襲われる」

『暗闇でドッキリ』(1964年)から『ピンク・パンサー2』(1975年)まで11年のブランク。『2』が大ヒットしたため、「ユナイテッド・アーティスツ」は急いで『3』を制作。ウケてるうちに稼ごう、という作戦。監督はシリーズおなじみブレイク・エドワーズ、音楽はヘンリー・マンシーニ。今回はダイヤ「ピンク・パンサー」は関係ナシ。クルーゾーを目の敵にするドレフュスの「執念」がテーマ。「最新兵器」「刺客の襲撃」といったジェームズ・ボンド作の「パロディ」といった雰囲気も。実際はもっと長い映画だったが、大幅にカット。その未公開シーンはセラーズの死後に追悼作として製作された『ピンク・パンサーX』で使用。撮影はパリ、ミュンヘンほか。「ホワイトハウスの大統領執務室」のシーンはイギリス「シェパートン・スタジオ」に実物大レプリカを建設して撮影。レーザー兵器「ドゥームズデイ・マシン」はソニーのエンジニアが設計。しかしながら、残念なのがセラーズと監督エドワーズの関係。何が原因かは知らないが、仲が悪い二人。特にセラーズは肉体的にキツいため(心臓に持病)、精神にも影響。アクションシーンはスタントマンが代演。完成版に満足せず、「自分の才能を悪用した」と公にエドワーズを批判。ドレフュスがパイプオルガンを弾くシーンはハーバート・ロム自身が怪人役で主演した『オペラの怪人 (The Phantom of the Opera)』(1962年)のセルフパロディ。ヒロイン「オルガ」役のレスリー・アン・ダウン。元々は『007』でおなじみモード・アダムスが「オルガ」役で、数シーン撮影した。ところが、肌を見せるシーンに難色を示して解雇。アダムスが出演したシーンはレスリーで再撮影された。セラーズの友人グレアム・スタークは今回はヒゲ&ヅラで誰だがわからないほど変身した姿で出演。監督の妻ジュリー・アンドリュースは「女装家エインズリー・ジャービス(ファスベンダー教授の執事)」の歌声を担当。セラーズと監督が不仲だったのは残念ですが、内容は傑作。ヒットして『ピンク・パンサー4』に続きます。

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2025年11月30日日曜日

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー2』(1975年)「フランスのどんくさ警部が美女に接近」

またしてもダイヤ「ピンク・パンサー」が盗まれ、王国からの指名でフランス警察の珍警部が捜査。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.ドジ男

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー2』(1975年)「フランスのどんくさ警部が美女に接近」

あの「どんくさ男」が11年振りに復活。ルガシュ王国(中東の架空の国。フランスとは200年に及ぶ友好国)で国宝「ピンク・パンサー」が盗まれる事件。「警部」から「パトロール巡査」に格下げされていたジャック・クルーゾー(ピーター・セラーズ)に王国から捜査の御指名。「警部」に復活し、スイスでドジっぷりを遺憾なく発揮(ワザとらしいほど次々にやらかし。モノを壊したり、コケたり)。


2.キャラ

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー2』(1975年)「フランスのどんくさ警部が美女に接近」

そんなクルーゾーにウンザリのドレフュス署長(ハーバート・ロム)。イライラしすぎてついに精神科医の世話になるハメに。ドレフュスの部下フランソワ(アンドレ・マランヌ)、クルーゾーのマヌケな使用人ケイトー(バート・クウォーク)は相変わらず。チャールズ・リットン卿(クリストファー・プラマー)はかつて「ファントム」と呼ばれる宝石泥棒だったが、今では引退状態。リットンの妻クローディーヌ(カトリーヌ・シェル)は何とも言えない色気。ルガシュ王国の国家警察のシャーキ大佐(ピーター・アーン)はリットン卿の犯行を疑い、マークする。


3.トリビア

「純金映画ブログ」『ピンク・パンサー2』(1975年)「フランスのどんくさ警部が美女に接近」

監督ブレイク・エドワーズ。音楽ヘンリー・マンシーニ(有名な「ピンク・パンサーのテーマ」)。前作『暗闇でドッキリ』でエドワーズとピーター・セラーズが不仲に。その後、両者は低迷。続編の企画が持ち上がり、エドワーズが「セラーズがOKなら」という条件。それを飲んだセラーズ。11年振りの続編。しかし、昔とは違う。セラーズは心臓に持病を抱え、スタントマンが代行するシーンも。「リットン」役はデヴィッド・ニーヴンからクリストファー・プラマーに。「ドレフュス」のハーバート・ロム、「フランソワ」のアンドレ・マランヌ、「ケイトー」のバート・クウォークはレギュラー。セラーズの友人グレアム・スタークはリットンに指を痛めつけられてしまう気の毒な役どころ(『暗闇でドッキリ』では刑事(クルーゾーの部下)役)。クルーゾーがスタイルのいい美女に見とれてプールに落ちるシーンの「美女」はキャロル・クリーブランド(『空飛ぶモンティ・パイソン』に定期的に出演)。映画の内容は「セラーズの個人芸」。「何やってんだか」といった感じのドジで観客を魅了。それに加え、「訛りの強い言葉」(対話の相手が「何言ってんだかわからん」というパターンの笑い)。500 万ドルの制作費(最終的に1,800万ドルかかったらしい)、世界中で 7,500 万ドルの興行収入を上げる大ヒット。クルーゾーだけではなく、低迷していたピーター・セラーズも復活。翌年、さらにスケールアップしたシリーズ第4作『ピンク・パンサー3』が製作されることに。

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2025年11月25日火曜日

「純金映画ブログ」『暗闇でドッキリ』(1964年)「フランスのどんくさ警部&グダグダなカネ持ち」

資産家の召使いたちが次々に殺されてフランス警察の珍警部が捜査に乗り出す。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.ドジ男

「純金映画ブログ」『暗闇でドッキリ』(1964年)「フランスのどんくさ警部&グダグダなカネ持ち」

フランス警察のジャック・クルーゾー警部(ピーター・セラーズ)。何ともどんくさい男で、イチイチやらかす。資産家ベンジャミン・バロン(ジョージ・サンダース)の豪邸で射殺事件が発生して現場に急行。しかし、のっけから噴水に落ちてズブ濡れ。そして、容疑者のキュートな女性に優しく事情聴取。


2.キャラ

「純金映画ブログ」『暗闇でドッキリ』(1964年)「フランスのどんくさ警部&グダグダなカネ持ち」

「ワケあり」なバロンの人間関係。バロンは澄ました顔をしているが、妻とは折り合いが悪い。妻はストレスが溜まっている様子。執事は忠実だが、庭師はバロンから大金を脅し取ろうとする。召使いのマリア(エルケ・ソマー)はキュートな女だが、殺人事件の有力な容疑者。フランス警察はクルーゾーの上司で本部長のシャルル・ドレフュス(ハーバート・ロム)。ドレフュスの部下フランソワ(アンドレ・マランヌ)。クルーゾーの部下エルキュール(グレアム・スターク)。そして、あの「問題児」、クルーゾーの使用人ケイトー(バート・クウォーク)。「隙があったら襲ってよい」というクルーゾーとの約束を忠実に守る男だ。


3.トリビア

「純金映画ブログ」『暗闇でドッキリ』(1964年)「フランスのどんくさ警部&グダグダなカネ持ち」

『ピンク・パンサー』シリーズのパート2。元々は「シリーズ」ではなかったため、日本語タイトルが少しややこしい(一作目『ピンクの豹』。二作目『暗闇でドッキリ』。『ピンク・パンサー2』は「三作目」であるが、タイトルが「2」)。監督ブレイク・エドワーズ、音楽ヘンリー・マンシーニ。前作『ピンクの豹』の監督エドワーズは今回は監督を断ったが、脚本を書き直して主役を「クルーゾー警部」に変更すること、前作のようにコメディシーンを自由に増やすのを認めること、という条件で引き受けた。それは『ピンクの豹』で「クルーゾー」のキャラクターが好評であったため。原作はフランスの戯曲。クルーゾーとは何ら関係が無いが、キャラを生かすためには「アドリブでギャグを入れていくのがベスト」とエドワーズは考えたらしい。主題曲はヘンリー・マンシーニ作曲であるが、あの有名な『ピンク・パンサーのテーマ』とは別の曲。前作『ピンクの豹』には登場しなかったキャラが今回から登場。ハーバート・ロム演じる「ドレフュス」、アンドレ・マランヌの「フランソワ」、バート・クウォークの「ケイトー」。また、「エルキュール」役のグレアム・スタークはセラーズの親友で、毎回違う役でシリーズ作品に出演。「ドレフュス」の役職はシリーズによって翻訳が違う(「主任警部」「署長」「本部長」。要するに「とても偉い人」と考えればよいのではないかと)。「ケイトー」というキャラを作ったのは監督エドワーズ。彼の武術の師匠エド・パーカーがモデル(「ケイトー」は『グリーン・ホーネット』(1966–67)でブルース・リーが演じた日本人「カトー」がモデル、という話もあるが、これは間違い。『グリーン~』は1930年代作品で、「アジア人の格闘家」が登場するが「カトー」という名ではなかったという)。ウォルター・マッソー、ソフィア・ローレンも出演予定だったが降板し、シャーリー・マクレーンは辞退したそうな。『ピンクの豹』に続き、本作もヒット。しかし、監督エドワーズとセラーズの関係が悪化。シリーズは長期間中断(次の『ピンク・パンサー2』が製作されたのは11年後の1975年)されたが、二人は和解。4年後の『パーティ』で「監督エドワーズ、主演セラーズ」が復活。印象的だったエルケ・ソマー。彼女が演じた「マリア」は『ピンク・パンサーの息子』(1993年)に「クルーゾーの隠し子の母親」として再登場。ただし演じたのはエルケ・ソマーではなく、『ピンクの豹』に出演したクラウディア・カルディナーレ。非常に息の長いシリーズになった。

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2025年11月15日土曜日

「純金映画ブログ」『ピンクの豹』(1963年)「犯罪者&妻に利用されるフランスのどんくさ警部」

ある王女が所有するダイヤ「ピンク・パンサー」をフランス警察の珍警部が快盗から守ろうとする。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.ドジ男

「純金映画ブログ」『ピンクの豹』(1963年)「犯罪者&妻に利用されるフランスのどんくさ警部」

フランス警察のジャック・クルーゾー警部(ピーター・セラーズ)。何ともどんくさい男で、わざとらしいほどイチイチやらかす(モノを落とす、壊す、コケる、など)。愛妻家でプライベートは充実しているが、10年間に渡って逮捕に失敗してきた泥棒「ファントム」のことが気がかり。イタリアのウィンターリゾート地コルチナ・ダンペッツォに滞在する某国(架空の国「ルガシュ」らしい)の王女ダーラ(クラウディア・カルディナーレ)が所有するダイヤ「ピンク・パンサー」をファントムが狙うと予想するクルーゾーは保険会社のタッカー(コリン・ゴードン)と共に現地入りし、ファントムを警戒する。


2.キャラ

「純金映画ブログ」『ピンクの豹』(1963年)「犯罪者&妻に利用されるフランスのどんくさ警部」

何とも悲しいことにクルーゾーの妻シモーヌ(キャプシーヌ)は「ファントム」ことチャールズ・リットン卿(デヴィッド・ニーヴン)の女。ファントムがこれまで捕まらなかったのはシモーヌの手引きによるもの。クルーゾーはそのことに全く気付いていない。リットンは「穏やかなオジサン」といった雰囲気で紳士を気取っているが、所詮は犯罪者。リットンの甥ジョージ(ロバート・ワグナー)は調子コイた奴で、伯父を出し抜いて「ピンク・パンサー」を盗もうとする。保険会社のタッカーは常識人。王女ダーラは革命派から「ピンク・パンサー」を国に返還するよう求められ、困った立場。スキー場のロッジで「メグリオ・スタセラ(『今宵を楽しく』)」を歌う女性はフラン・ジェフリーズ(アメリカの歌手)。


3.トリビア

「純金映画ブログ」『ピンクの豹』(1963年)「犯罪者&妻に利用されるフランスのどんくさ警部」

監督ブレイク・エドワーズ。記念すべきシリーズ一作目で、大ヒット。王女がリットンにホレてしまう、というちょっと強引なストーリー展開のため「茶番劇な脚本」という評価ですが、ピーター・セラーズの「ドジ芸」が大いにウケた。キャスティングで混乱。当初、「クルーゾー警部」役はセラーズではなく、ピーター・ユスティノフ。しかし、「シモーヌ」役のエヴァ・ガードナーが降板し、キャプシーヌに。これに反発したユスティノフが降板(後、ユスティノフは「契約違反」で17万5千ドルの損害賠償で訴えられた)。タイミングのいいことにセラーズが見つかり、クルーゾー役に。これによってセラーズは「生涯の当たり役」を獲得。ジャネット・リーはイタリアでの撮影によりアメリカを離れる期間が長くなることを理由にオファーを断った。王女役にクラウディア・カルディナーレが決まったが、オードリー・ヘプバーンも同役の候補だった(ヘプバーンには合わない役だったような気がする)。「主演」はデヴィッド・ニーヴンだったが、「セラーズの面白さ」にエドワーズ監督は注目。結局、「クルーゾー警部」がこの作品、および続編の主役に。ニーヴンら他の主要キャラはシリーズから離れたが、セラーズの死後、ニーヴン、キャプシーヌ、ワグナーは続編に同じ役で出演。クラウディア・カルディナーレは英語が十分でなかったため、声は他の声優によって吹き替えられた。また、セラーズの没後に製作されたシリーズ最終作『ピンク・パンサーの息子』(1993年)にカルディナーレは30年振りに再出演(ただし、「ダーラ」ではない別の役)。「ピンクパンサー」シリーズで有名な「ドレフュス主任警部」「ケイトー」は次作『暗闇でドッキリ』から登場。音楽はヘンリー・マンシーニが担当し、主題曲『ピンク・パンサーのテーマ』は説明不要の有名なメロディ。この曲は怪盗ファントムの「忍び足」をイメージしたものだそうだ(「クルーゾーのテーマ」ではない)。王女ダーラはどこの国の人なのか? 本編では語られませんでしたが、『ピンク・パンサー2』(1975年)に「中東の国ルガシュ(架空の国)」が登場。どうやらダーラはルガシュの王女らしい。広場でのユーモラスなカーチェイスのシーンはアルフレッド・ヒッチコック『外国特派員』(1940年)のオマージュとのこと。2010年、「文化的、歴史的、そして美的に重要」ということで米国議会図書館によって米国国立フィルム登録簿への保存対象に選ばれた。

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2025年11月13日木曜日

「純金映画ブログ」『ゴーストハンターズ』(1986年)「チャイナタウンに長寿の化け物が出現」

チャイナタウンで美女が化け物に拉致され、女の婚約者とトラック運転手が救出に向かう。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.チャイナタウン

「純金映画ブログ」『ゴーストハンターズ』(1986年)「チャイナタウンに長寿の化け物が出現」

サンフランシスコのチャイナタウンでは二大中国人グループが激しい抗争。トラック運転手ジャック・バートン(カート・ラッセル)&レストラン経営者ワン・チー(デニス・ダン)の米中コンビも巻き込まれる。そんな状況で突如出没したロウ・パン(ジェームズ・ホン)という長寿の妖怪(秦の始皇帝に呪いをかけられたそうな)。手下の「サンダー」(カーター・ワン)、「レイン」(ピーター・クォン)、「ライトニング」(ジェームス・パックス)と共に大暴れ。一方の中国人グループを傘下に入れ、勢力を拡大。


2.キャラ

「純金映画ブログ」『ゴーストハンターズ』(1986年)「チャイナタウンに長寿の化け物が出現」

ジャックは勇敢ながらドジ男。ワンは格闘技ができる強い奴。ロウ・パンは「若さと肉体の復活」を求めて「緑色の目を持つ女」を必要とする。サンダーらは得意技を持つ強者たち。ロウ・パン事件に巻き込まれる弁護士グレイシー(キム・キャトラル)、ワンの婚約者ミャオ・イン(スージー・パイ)は「緑色の目を持つ女」。観光バスの運転手で魔術師のエッグ・シェン(ヴィクター・ウォン)はロウ・パンと戦うジャック&ワンにとって頼もしい味方。ワンの伯父(または叔父)チュー(チャオ・リー・チ)も少し活躍。


3.トリビア

「純金映画ブログ」『ゴーストハンターズ』(1986年)「チャイナタウンに長寿の化け物が出現」

監督ジョン・カーペンター。カート・ラッセルとは友人関係で、ラッセル主演の『ザ・シンガー』(1979年)、『ニューヨーク1997』(1981年)、『遊星からの物体X』(1982年)を監督。「盛りだくさんな内容の脚本」に感銘を受け、『ゴーストハンターズ』の監督契約を結んだ。チャイナタウンが舞台ということでアジア系俳優が多く登場。カーペンターが香港アクション映画のファンでもあることから有名なカーター・ワンを起用。『少林寺への道』(1976年)、『ドラゴン太極拳』(1978年)でもおなじみ「気合いの入った表情」をカーターはこの作品でも発揮。カーペンターによるとカーターは「英語はダメだったが、声が優しくて良かった」とのこと。映画の内容は西部劇のエッセンスを入れたアクション作(元々は西部劇だったが、現代劇に脚本が書き直された)。チャイナタウンのシーンはほんの一部がロケで、抗争シーンなどはセット撮影。撮影現場は楽しかったそうだが、中国人の映画ファンにはウケず。『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』(1985年)での「中国系アメリカ人の描写(特にチャイニーズマフィア)」が物議を醸し、今回もその雰囲気があったためと思われる。また撮影は冬に行われ、ラッセルが高熱を出すハプニング(それでも根性で撮影続行)。「ロウ・パン」を演じたジェームズ・ホンは特殊メイクが肌にくっつきすぎてメイクを嫌がったという。興行的な問題も。同時期に公開予定のエディ・マーフィ主演『ゴールデン・チャイルド』も「アジア、SFX、アクション」で似たコンセプト。そのため、これよりも先に公開されるよう制作を急いだ(アメリカでは1986年7月2日公開。『ゴールデン~』は1986年12月12日)。カーペンターはエディ・マーフィに対抗するため、クリント・イーストウッドかジャック・ニコルソンを主演に希望していたが、どちらもスケジュールが空いていなかった。映画会社はカート・ラッセルを推薦。「ジャック・バートン」というキャラをよく理解したうえでラッセルは楽しくジャックを好演。撮影前には役作りのためウェイトトレーニングとランニング。「グレイシー・ロー」役のキム・キャトラルは『ポリスアカデミー』(1984年)のヒロイン役で有名。しかし「イメージが定着すること」を嫌い、今回は「コミカルな雰囲気ながら、たくましい女」を好演。後、テレビドラマなどでも大いに活躍。「ワン・チー」役のデニス・ダンは子供の頃に武術の訓練を経験し、大人になってからは京劇を演じたことがある。そのため「武術のシーンは難しくなかった」という。カーペンターは「歌手」としてテーマソングを歌った。予算は大きいものとなり、 1,900 万ドルから 2,500 万ドル。劇中に登場する化け物「ガーディアン」(目玉が複数ある「偵察」型浮遊生物)は意外なほど複雑な構造をしており、撮影に10万ドル以上の費用がかかったとか。しかしながら、ジェームズ・キャメロン『エイリアン2』が大ヒットして話題をかっさらい、『ゴーストハンターズ』の興行収入は製作費を大幅に下回る結果に。この失敗でカーペンターは「ハリウッド大手作品」に幻滅し、独立系映画製作にカムバック。しかし、作品が徐々に人気化。コミック版、ビデオゲーム、カードゲーム、フィギュアが発売された。また登場キャラをモデルにしたと思われるキャラが別作品に登場するなどの影響。当時の観客にはアピールできなかったが、個性的なシーンが盛りだくさんの「面白い傑作」であることが後に証明された。

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