「金洋ロードショー:映画ブログ」ブラッド・ピットがメジャーリーグのゼネラルマネージャーを演じる映画。結局、大リーグは「カネこそが全て」の世界なのか?
①経済格差
なかなか面白い映画。普通「野球映画」はチームが一丸となって勝利を目指す姿を感動的に描くもの。しかし、この『マネーボール』はちょいと違います。アスレチックスのGMを務めるビリー・ビーン(ブラッド・ピット)。2001年のプレーオフで「カネ持ちチーム」ヤンキースに敗れて敗退。それだけでも悔しいのに高額の契約金でヤンキースに有力選手を引き抜かれ、チームの主軸を失う。かつては日本のジャイアンツが「カネで選手を買っている」ということでファンから嫌われましたが、アメリカでは非常に露骨。選手も「たくさんもらえる方がいい」というドライな思考。「チームに対する愛着」が気迫なところがあります(そんな奴ばっかりじゃないけど)。
②オレ流
アスレチックスのオーナーはカネ持ちではないため「今の予算でチームを作れ」とビリーに指示。かつて有望選手だったが活躍できなかった過去があるビリーは「オレ流」でやっていかねばならない。キッカケとなったのがインディアンズで選手をデータ分析するピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)という男。「データマン」ピーターの正確な分析に感心したビリーはピーターをスカウト。過去のデータに基づいて選手を集め始める。しかし、獲得した選手はピークを過ぎたベテラン、ケガにより万全でない選手、遊び人、変わった投げ方をする投手など。これらの選手を試合に出したがらない監督アート・ハウ(フィリップ・シーモア・ホフマン)はビリーと対立。このあたりも面白い描写。監督は試合に負ければ自分の評価が下がるためGMの命令を無視。監督とGMの力関係はどちらが上なのだろう?
③独断専行
強引に自分が決めたラインナップで勝負するビリー。何とチームは連勝。しかし、落とし穴が・・・。この映画が教えてくれるのは、メジャーリーグは「勝つことが全て」の世界であること。本来、スポーツは競い合って「勝った」「負けた」でその都度、ファンが熱くなるもの。しかし、メジャーはカネで勝利を買うことができます。大金で有力選手をかき集めるカネ持ち球団。そんなにカネをかけてチームを作って逆に負けたらバカみたい。そうまでして勝ちたいの? という気もしますが、そういう商売なのでしょう。有望選手を売り買いする実に「ビジネスライクな世界」のメジャーリーグ。儲けることが全て。この映画を観た後は野球に対する考え方が変わるでしょう(開幕前から優勝チームは決まっているんだろう? といったシラケたムードになるかも)。
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