2025年9月20日土曜日

「純金映画ブログ」『コップランド』(1997年)「ニューヨーク市警のワケあり警官たち」

ニュージャージー州の保安官がニューヨーク市警のトラブルに巻き込まれて・・・。見所を紹介。


(YouTube)予告編 

1.警官の町

『コップランド』(1997年)「ニューヨーク市警のワケあり警官たち」

ニュージャージー州ギャリソン郡はニューヨーク市警の警官が多く住む地域。そのリーダー格は警部補レイ・ドンラン(ハーヴェイ・カイテル)。一見、静かな町だが、実はトラブルだらけ。汚職、不倫、家庭内暴力、警官同士の反目など。ドンランの甥で警官のマレー・バビッチ(マイケル・ラパポート)が怪しい2人を射殺したが、過剰な行為だった疑い。その出来事をキッカケに不穏さを増すギャリソン郡。保安官フレディ・ヘフリン(シルヴェスター・スタローン)は警官たちの問題への対応に困り、市警内部調査の捜査官モー・ティルディン(ロバート・デ・ニーロ)に相談へ赴くが・・・。


2.トリビア

『コップランド』(1997年)「ニューヨーク市警のワケあり警官たち」

スタローンが「冴えない保安官フレディ」を演じた映画。この役のため、体重を増やして撮影。かつて人命救助をし、その時の後遺症で片耳が不自由になったフレディ。本当は市警の警官になりたいが「聴力の問題」でなれず。今では太ってしまい、ドンランから「市警の問題に口を出すな」などと言われてしまう有様。そんなパッとしないフレディが「マレー事件」を境にドンラン派の警官連中とスレ違うようになっていく。その結果は? 監督ジェームズ・マンゴールド。デ・ニーロ、カイテルといった大物も出演。ドラマ的な作品だったことから批評家からの評価は良かった。しかし、興行成績は振るわず(1500万ドルの予算。全世界で6370万ドルの収益)。そのため、スタローン「この映画は自身のキャリアにとってマイナスだった」と語っている(「興行成績=人気」と考えているようだ)。個人的にはラストの「問題の解決手段」に難点があった印象(映画評論家はスタローン映画の暴力性を嫌ってきた。しかし、この映画に高評価。結局、ラストは「暴力的な解決手段」で、いつもの「スタローン映画」だったにもかかわらず)。「削除されたシーン」があり、これはギャリソンの町で黒人が警官から人種差別的な扱いをされるシーンだそうだ。「警官同士のトラブル」に特に焦点を当てるため、削除されたのだと思われる。

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2025年9月5日金曜日

「純金映画ブログ」『デイライト』(1996年)「地獄のトンネルに閉じこめられる恐怖」

トンネルで爆発事故。大勢の死者。生き残った者に炎、有毒ガス、川の水が襲いかかる。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.事故

『デイライト』(1996年)「地獄のトンネルに閉じこめられる恐怖」

ニューヨークとニュージャージー州を結ぶトンネルで衝突事故。産業廃棄物を満載したトラックが爆発。トンネル内は火災と有毒ガス。脚本家のマデリーン・トンプソン(エイミー・ブレネマン)、大手企業の社長ロイ・ノード(ヴィゴ・モーテンセン)、護送車で運ばれる途中の若い囚人たち(セイジ・スタローンら)、交通局員ジョージ・タイレル(スタン・ショウ)らがトンネルに閉じこめられ、元緊急医療班隊長のキット・ラトゥーラ(シルヴェスター・スタローン)が救出に向かう。しかし、無謀な行動で命を落とす者やパニックで口論を始める者も・・・。


2.トリビア

『デイライト』(1996年)「地獄のトンネルに閉じこめられる恐怖」

監督ロブ・コーエン(アクション作で有名)。当初、ニコラス・ケイジを「キット・ラトゥーラ」役に想定していたが、配給の「ユニバーサル・ピクチャーズ」は興行的な理由からスタローンを勧めたという。セイジ・スタローンが「少年犯罪者」役で出演し、親子共演。トンネルのシーンが迫力の映画だったが、このトンネルはイタリアのローマにある「チネチッタスタジオ」に建造されたもの。セットと特撮でリアリティある映像となった。内容が『ポセイドン・アドベンチャー』に似ている、という指摘があるが、船とトンネルでは別物だと個人的には思う。全世界で1億5900万ドルの興行収入。人間ドラマも描かれて、見応えのある映画だった。

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2025年8月27日水曜日

「純金映画ブログ」『暗殺者』(1995年)「知られざる暗殺者の世界」

二人の暗殺者による新旧対決に女が巻き込まれるハードアクション&スリリングなサスペンス。見所を紹介。


(YouTube)予告編 

1.二人の男

『暗殺者』(1995年)「知られざる暗殺者の世界」

どんな世界にもライバルが。「暗殺の世界」で名高いロバート・ラス(シルヴェスター・スタローン)。ある男を墓地で狙撃しようとするが、何者かが先に狙撃。ミゲル・ベイン(アントニオ・バンデラス)はラスに取って代わって「世界一の暗殺者」になりたい男。ラスのターゲットを横取りし、最後は謎の黒幕からの依頼でラスの命を狙う。


2.

『暗殺者』(1995年)「知られざる暗殺者の世界」

ハッカーの女エレクトラ(ジュリアン・ムーア)。盗んだ情報を売って大金を得ようとするが、取引相手はヤバイ筋の者。逆に命を狙われるが、ラスと出会ったことで人生に変化が・・・。


3.トリビア

『暗殺者』(1995年)「知られざる暗殺者の世界」

スタローンが暗いキャラを演じるサスペンスなアクション作。ストーリーにやや難があるような気がする。ラスの仕事を邪魔するベイン。「ゴルゴ13」ならそういう奴は直ぐさま始末するところだが、ラスはそうではない。なぜならラストにラスとベインが決着戦をするシーンが見せ場の映画だから。監督はリチャード・ドナー。『リーサル・ウェポン』(1987年)を撮っているように「バディムービー」はお得意。ラスとベインの関係を上手く表現できているか、が見所の映画だと思うが、やはりストーリーに問題。オリジナル脚本を書いたのはウォシャウスキー姉妹。監督リチャード・ドナーがキャラクターをもっと生かすために脚本の書き直しを検討。ブライアン・ヘルゲランドが加筆。ウォシャウスキー姉妹は「ヘルゲランドによって脚本が完全に書き直され、映画から自分たちの名前が削除されるところだった」と不満。結局、わかりにくい部分もあり、興行成績は振るわず。ラス、ベイン、謎の黒幕。この三名の関係がもっとわかりやすく、掘り下げて表現されていたらよかったのにと思う。また、「暗い殺し屋ラス」が若い女と出会ってキャラ変するのも妙だった印象。ただ、ラスとベインが争うシーンはさすがに緊迫感があった。

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2025年8月17日日曜日

「純金映画ブログ」『ジャッジ・ドレッド』(1995年)「絶望的な未来世界で因縁の男たちが決闘」

2139年の荒廃した世界で「法の執行官ジャッジ」が自分を陥れた男と対決。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.地球

『ジャッジ・ドレッド』(1995年)「絶望的な未来世界で因縁の男たちが決闘」

2139年。地球の環境は最悪なものに。人が住めない星と化し、住める場所には大勢が殺到。「メガシティ・ワン」は巨大な人口とそれに伴う過激な犯罪。最早、従来の法制度は役に立たず、「ジャッジ」と呼ばれる執行官が警官、裁判官、陪審員、死刑執行人の役割を兼任。重犯罪人はその場で射殺。軽犯罪者は容赦なく刑務所送り。ジャッジのドレッド(シルヴェスター・スタローン)は職務に忠実な男。荒っぽい連中を皆殺しにし、ケチな犯罪者にも断固たる姿勢。同僚のハーシー(ダイアン・レイン)は「血も涙もない」ドレッドの仕事ぶりに嫌悪感。ジャッジ評議会の長官ファーゴ(マックス・フォン・シドー)はそんなジャッジたちを温かく見守る。


2.悪役

『ジャッジ・ドレッド』(1995年)「絶望的な未来世界で因縁の男たちが決闘」

多くの悪役。町で銃をぶっ放す連中。砂漠に住む凶暴一家。そして、元ジャッジのリコ(アーマンド・アサンテ)。非常に凶悪で、刑務所から脱獄。旧式の戦闘ロボットを味方につけて「メガシティ・ワン」へ舞い戻る。狙いは町を支配することと因縁があるドレッドをワナにハメて始末すること。また、リコを陰からバックアップする裏切り者も。


3.トリビア

『ジャッジ・ドレッド』(1995年)「絶望的な未来世界で因縁の男たちが決闘」

イギリスのコミックの映画化。監督ダニー・キャノンは『ジャッジ・ドレッド』コミックのファンということで『ダイ・ハード4』の監督のオファーを断って、こちらの監督を引き受けた。アーノルド・シュワルツェネッガーが主役候補だったが、スタローンに(このパターンが結構多い)。しかし、キャスティングされた当時、スタローンはこのキャラクターについて何も知らず(何の思い入れもない。監督とは温度差)。ロブ・シュナイダー演じる「ハーマン」が殺伐とした世界で笑いを提供するキャラを好演したが、この役は当初ジョー・ペシにオファー。ペシが断ったため、シュナイダーに。撮影はイギリス「シェパートン スタジオ」。プロデューサーはアメリカで撮影したいと考えていたが、キャノン監督はキャラクターの故郷であるイギリスでの撮影を主張した。衣装のデザインはジャンニ・ヴェルサーチ(スタローンがヴェルサーチを選んだという)。迫力のあるシーンに加え、ハーマン、凶暴一家らによるコミカルなシーン。個人的には「ジャッジ」というアイデアが面白い傑作だと思うが、興行的には失敗。続編はスタローンが消極的だったこともあって実現せず。映画評論家や興行収入が映画界の行方を決める、ということか。

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2025年8月14日木曜日

「純金映画ブログ」『スペシャリスト』(1994年)「爆破屋が犯罪組織&因縁の敵と勝負」

元CIAが美女からの依頼で悪党を爆殺。ド迫力シーンの数々。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.因縁①

『スペシャリスト』(1994年)「爆破屋が犯罪組織&因縁の敵と勝負」

CIAの爆破工作員レイ・クイック(シルヴェスター・スタローン)、ネッド・トレント(ジェームズ・ウッズ)。南米で麻薬犯を爆殺する任務。しかし、麻薬犯の車に少女が同乗していることから爆破をためらうレイ。ネッドは非情にも任務遂行。二人はそのことでモメ、レイはCIAを退職。今ではフリーの「爆破請負人」。爆破の知識、技能を正義のために使おうとする。


2.因縁②

『スペシャリスト』(1994年)「爆破屋が犯罪組織&因縁の敵と勝負」

美女メイ・マンロー(シャロン・ストーン)は悲しい過去がある女。親を悪党ジョー・レオン(ロッド・スタイガー)、トマス・レオン(エリック・ロバーツ)に殺され、その復讐の機会をうかがう。二人とその仲間の暗殺をレイに依頼するが、それと同時に自身も体を張ってレオン親子に接近。そんなレオン親子に依頼され、あのネッドがボディガードに。ネッドの狙いは因縁のレイと決着をつけることだが、どんな結果に?


3.トリビア

『スペシャリスト』(1994年)「爆破屋が犯罪組織&因縁の敵と勝負」

「二大スター」「悪役も大物」「迫力満点の爆発シーン」ということで大ヒット。制作前に混乱。マリオ・ヴァン・ピーブルズが監督に指名されたが、辞退。スタローンお気に入りのデヴィッド・フィンチャーの名が上がったが、フィンチャー監督『エイリアン3』が興行的に失敗したため却下。結局、監督はルイス・ロッサ。主役のオファーはスタローンではなくスティーブン・セガール。セガールは性的なシーンを嫌ったうえに900万ドルのギャラを要求。あのロジャー・ムーアもオファーを受けたが断ったという(完成した作品を見て「出なくて良かった」と述べたとか)。スタローンにオファーされ、出演決定。製作が始まると、脚本に多くの変更(「スタローン映画」あるある。「スタローンらしいシーン」が必要なのだろう)。大ヒットになったのは「悪役が充実していたから」ではないだろうか? ジェームズ・ウッズは『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984年)でロバート・デ・ニーロと共演した大物。ロッド・スタイガーは大ベテランで、マーロン・ブランド『波止場』(1954年)、『夜の大捜査線』(1967年)、『チャールズ・ブロンソン/愛と銃弾』(1978年)、『マーズ・アタック!』(1996年)などの出演作。エリック・ロバーツはジュリア・ロバーツの兄貴。ジョン・ヴォイト『暴走機関車』(1985年)など多くの出演作。「魅力のある悪役」がスタローン、シャロン・ストーン演じるキャラの存在を引き立たせた印象。

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2025年8月5日火曜日

「純金映画ブログ」『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

冷凍刑に処せられた刑事が因縁の凶悪犯と対決するために職場復帰。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.1996年

『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

ロサンゼルス市警の刑事スパルタン(シルヴェスター・スタローン)。その荒っぽい仕事ぶりから「デモリションマン(壊し屋)」と呼ばれる男。バスジャック事件を捜査。人質を取った凶悪犯フェニックス(ウェズリー・スナイプス)を逮捕したが、人質は全員死亡。罪に問われたスパルタン。フェニックスと共に冷凍刑。


2.2032年

『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

スパルタンらが冷凍刑になった後、大地震発生。ロサンゼルスが「サン・アンゼルス」に再編。疫病を乗り越え、犯罪も一掃されてスッカリ平和な世界に。町を再建したのは市長コクトー(ナイジェル・ホーソーン)。しかし、地下で暮らすレジスタンスに怒り。彼らを始末するため、冷凍されていたフェニックスを解凍。復活して大暴れするフェニックスを捕らえるため、警察はスパルタンを解凍。「20世紀マニア」の警部補ハックスリー(サンドラ・ブロック)、警官ガルシア(ベンジャミン・ブラット)と共にスパルタンはフェニックスを追う。


3.トリビア

『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

未来の描写が面白い傑作。2032年はあきれるほど平和な世界。警察はほとんど必要ないレベル。ただし、所持する武器は進化(スタンガン式警棒)。また、「汚い言葉を摘発する機械」もあり、「クソ」なんて言おうもんならすぐさま罰金。平和だが、結構厳しい世界。オリジナルの脚本を書いたのはピーター・M・レンコブ。映画化に際して他の脚本家も参加して書き直され、完成まで時間が掛かった。その分、より魅力的なストーリーに。監督マルコ・ブランビヤ。テレビコマーシャルを撮った経歴があり、これが初の長編映画。当初、主演男優にスティーヴン・セガール、悪役にジャン=クロード・ヴァン・ダムでオファー。しかし、スタローンに決定。スタローンはサイモン・フェニックス役にジャッキー・チェンを希望したが、ジャッキーは悪役を嫌がって拒否。ウェズリー・スナイプスは何度もこの役を断ったが、結局、同意。スナイプスはフェニックスの髪型を嫌い、撮影が終わるとすぐに髪を切ったという。サンドラ・ブロックは推薦されて出演。脚本に時間が掛かったことに加え、この映画は苦難が多かった。スタローンが負傷、ロサンゼルスでは大雨、5人の助監督を始めとする多くのスタッフたちは他のプロジェクトも抱えて多忙になったり。度重なる延期で製作費も膨張。予定されていたシーンも変更。スタローン演じる「スパルタン」には「娘がいる」という設定。当初は作中に登場する予定だったが、ボツ。「サンドラ・ブロック演じるハックスリーがスパルタンの娘なのでは?」というのは誤解。「スパルタンの娘」は「地下で暮らす抵抗勢力のメンバー」というのが、構想にあった設定。スタローンがジェシー・ベンチュラと戦う構想はカットされた(実際に撮影されたのかどうかは不明)。1996年のシーンでの大爆破は実際に爆破して撮影(ロサンゼルスの古い水道電力局の建物が爆破されたらしい)。「冷凍刑務所」の外観はロサンゼルスのダウンタウンにあるメトロポリタン拘置所(いつかは冷凍刑務所になるかも)。「フランチャイズ戦争の後に生き残った唯一のレストランチェーンがタコベル」という未来設定。当初、「バーガーキングがレストラン戦争の勝者」として脚本に書かれていたが、バーガーキングとマクドナルドは映画制作に参加せず。タコベルが参加することになり、「未来世界の覇者」に。この映画のヨーロッパ版ではタコベルではなく「ピザハット」。これはタコベルが米国とカナダ以外ではあまり知られていないため(当時、タコベルとピザハットはペプシコの傘下にあった)。主題歌はスティング「Demolition Man」。撮影の遅れなどで制作費とマーケティング費を合わせたコストは9700万ドル(予測)。全世界で1億5910万ドルの興行収入。未来を描いた傑作。過激なシーンがあるため評論家の評価は賛否両論。個人的には「かなりの傑作」と評価。いつの時代にあっても「スタローン演じるキャラ(荒っぽい)」が変わらないのが面白かった。

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2025年7月18日金曜日

「純金映画ブログ」『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

過去のトラウマに苦しむ元・山岳救助隊員が雪山で武装強盗団に脅される。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.山岳救助隊

『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

ロッキー山脈で救助活動をするゲイブ(シルベスター・スタローン)。同僚で親友のハル(マイケル・ルーカー)が恋人サラ(ミシェル・ジョイナー)と共に遭難。サラの救出に失敗したゲイブは恋人ジェシー(ジャニーン・ターナー)と別れ、山を下りた。


2.悪役

『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

武装強盗団のボス、エリック・クアレン(ジョン・リスゴー)。デンバー造幣局の局員リチャード・トラヴァース(レックス・リン)と組んで財務省の航空輸送機に積まれた1000ドル札を強奪。ところが雪山に奪ったカネをアクシデントで落下。山に詳しいゲイブとハルを脅迫し、道案内させる。クアレンの手下は妻クリステル(キャロライン・グッドール)、凶暴な黒人キネット(レオン)ら。


3.トリビア

『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

「カロルコ・ピクチャーズ」製作。当初、スタローンはカロルコが企画したコメディに出る予定だったが、ボツ。さらに二転三転して、この『クリフハンガー』に。「代表作の一つ」と言ってもいいハードアクション作となり、悲しい過去を背負うキャラを好演(どうやらスタローンは「不幸・逆境を背負うキャラ」が似合うようだ)。高所恐怖症であるにもかかわらず高山での危険なアクションに挑戦(実際は「登山シーン」のほとんどは代役らしい。残念)。当時、この映画のポスターに乗った自分の写真が小さいことを気にしたスタローン。「自分の人気はもう落ちたのか?」と誤解したという。スタローンは脚本にも関与。悪役「クアレン」役にデヴィッド・ボウイの名が上がったが、スケジュールの問題。クリストファー・ウォーケンが降板してジョン・リスゴーがメインの悪役に。イタリアで撮影。予算は7000万ドル(配給権と引き換えに「トライスター・ピクチャーズ」が出資、他にもカロルコの株主、銀行の融資で資金調達。全世界で2億5500万ドルの収益。ヒットしたため、全額返済できた。しかし、カロルコは興行収入のごく一部しか受け取ることができず、スタローンのギャラも減額)。「ディレクターズカット版」なるものがあったが、上映時に多くの批判、低評価。その理由は「スタントが馬鹿げたほど大袈裟に誇張されていたこと」(「現実にはありえないオーバーなシーンがたくさんあった」の意)。迫力のアクション。「史上最も費用のかかった空中スタント」としてギネス世界記録(スタントマンのサイモン・クレインは2機の飛行機の間を行き来する空中移動シーンを演じ、100万ドルのギャラ)。第66回(1993年度)アカデミー賞で「視覚効果・音響編集・録音」の3部門にノミネート。続編が企画されたが、実現せず。こういう映画に続編は似合わない。それでよかった、と思う。

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