「金洋ロードショー:映画ブログ」冷凍刑に処せられた刑事が因縁の凶悪犯と対決するために職場復帰。見所を紹介。
(YouTube)予告編
1.1996年
ロサンゼルス市警の刑事スパルタン(シルヴェスター・スタローン)。その荒っぽい仕事ぶりから「デモリションマン(壊し屋)」と呼ばれる男。バスジャック事件を捜査。人質を取った凶悪犯フェニックス(ウェズリー・スナイプス)を逮捕したが、人質は全員死亡。罪に問われたスパルタン。フェニックスと共に冷凍刑。
2.2032年
スパルタンらが冷凍刑になった後、大地震発生。ロサンゼルスが「サン・アンゼルス」に再編。疫病を乗り越え、犯罪も一掃されてスッカリ平和な世界に。町を再建したのは市長コクトー(ナイジェル・ホーソーン)。しかし、地下で暮らすレジスタンスに怒り。彼らを始末するため、冷凍されていたフェニックスを解凍。復活して大暴れするフェニックスを捕らえるため、警察はスパルタンを解凍。「20世紀マニア」の警部補ハックスリー(サンドラ・ブロック)、警官ガルシア(ベンジャミン・ブラット)と共にスパルタンはフェニックスを追う。
3.トリビア
未来の描写が面白い傑作。2032年はあきれるほど平和な世界。警察はほとんど必要ないレベル。ただし、所持する武器は進化(スタンガン式警棒)。また、「汚い言葉を摘発する機械」もあり、「クソ」なんて言おうもんならすぐさま罰金。平和だが、結構厳しい世界。オリジナルの脚本を書いたのはピーター・M・レンコブ。映画化に際して他の脚本家も参加して書き直され、完成まで時間が掛かった。その分、より魅力的なストーリーに。監督マルコ・ブランビヤ。テレビコマーシャルを撮った経歴があり、これが初の長編映画。当初、主演男優にスティーヴン・セガール、悪役にジャン=クロード・ヴァン・ダムでオファー。しかし、スタローンに決定。スタローンはサイモン・フェニックス役にジャッキー・チェンを希望したが、ジャッキーは悪役を嫌がって拒否。ウェズリー・スナイプスは何度もこの役を断ったが、結局、同意。スナイプスはフェニックスの髪型を嫌い、撮影が終わるとすぐに髪を切ったという。サンドラ・ブロックは推薦されて出演。脚本に時間が掛かったことに加え、この映画は苦難が多かった。スタローンが負傷、ロサンゼルスでは大雨、5人の助監督を始めとする多くのスタッフたちは他のプロジェクトも抱えて多忙になったり。度重なる延期で製作費も膨張。予定されていたシーンも変更。スタローン演じる「スパルタン」には「娘がいる」という設定。当初は作中に登場する予定だったが、ボツ。「サンドラ・ブロック演じるハックスリーがスパルタンの娘なのでは?」というのは誤解。「スパルタンの娘」は「地下で暮らす抵抗勢力のメンバー」というのが、構想にあった設定。スタローンがジェシー・ベンチュラと戦う構想はカットされた(実際に撮影されたのかどうかは不明)。1996年のシーンでの大爆破は実際に爆破して撮影(ロサンゼルスの古い水道電力局の建物が爆破されたらしい)。「冷凍刑務所」の外観はロサンゼルスのダウンタウンにあるメトロポリタン拘置所(いつかは冷凍刑務所になるかも)。「フランチャイズ戦争の後に生き残った唯一のレストランチェーンがタコベル」という未来設定。当初、「バーガーキングがレストラン戦争の勝者」として脚本に書かれていたが、バーガーキングとマクドナルドは映画制作に参加せず。タコベルが参加することになり、「未来世界の覇者」に。この映画のヨーロッパ版ではタコベルではなく「ピザハット」。これはタコベルが米国とカナダ以外ではあまり知られていないため(当時、タコベルとピザハットはペプシコの傘下にあった)。主題歌はスティング「Demolition Man」。撮影の遅れなどで制作費とマーケティング費を合わせたコストは9700万ドル(予測)。全世界で1億5910万ドルの興行収入。未来を描いた傑作。過激なシーンがあるため評論家の評価は賛否両論。個人的には「かなりの傑作」と評価。いつの時代にあっても「スタローン演じるキャラ(荒っぽい)」が変わらないのが面白かった。
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