2025年8月5日火曜日

『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

「金洋ロードショー:映画ブログ」冷凍刑に処せられた刑事が因縁の凶悪犯と対決するために職場復帰。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.1996年

『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

ロサンゼルス市警の刑事スパルタン(シルヴェスター・スタローン)。その荒っぽい仕事ぶりから「デモリションマン(壊し屋)」と呼ばれる男。バスジャック事件を捜査。人質を取った凶悪犯フェニックス(ウェズリー・スナイプス)を逮捕したが、人質は全員死亡。罪に問われたスパルタン。フェニックスと共に冷凍刑。


2.2032年

『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

スパルタンらが冷凍刑になった後、大地震発生。ロサンゼルスが「サン・アンゼルス」に再編。疫病を乗り越え、犯罪も一掃されてスッカリ平和な世界に。町を再建したのは市長コクトー(ナイジェル・ホーソーン)。しかし、地下で暮らすレジスタンスに怒り。彼らを始末するため、冷凍されていたフェニックスを解凍。復活して大暴れするフェニックスを捕らえるため、警察はスパルタンを解凍。「20世紀マニア」の警部補ハックスリー(サンドラ・ブロック)、警官ガルシア(ベンジャミン・ブラット)と共にスパルタンはフェニックスを追う。


3.トリビア

『デモリションマン』(1993年)「90年代の荒っぽい刑事が2032年に復活」

未来の描写が面白い傑作。2032年はあきれるほど平和な世界。警察はほとんど必要ないレベル。ただし、所持する武器は進化(スタンガン式警棒)。また、「汚い言葉を摘発する機械」もあり、「クソ」なんて言おうもんならすぐさま罰金。平和だが、結構厳しい世界。オリジナルの脚本を書いたのはピーター・M・レンコブ。映画化に際して他の脚本家も参加して書き直され、完成まで時間が掛かった。その分、より魅力的なストーリーに。監督マルコ・ブランビヤ。テレビコマーシャルを撮った経歴があり、これが初の長編映画。当初、主演男優にスティーヴン・セガール、悪役にジャン=クロード・ヴァン・ダムでオファー。しかし、スタローンに決定。スタローンはサイモン・フェニックス役にジャッキー・チェンを希望したが、ジャッキーは悪役を嫌がって拒否。ウェズリー・スナイプスは何度もこの役を断ったが、結局、同意。スナイプスはフェニックスの髪型を嫌い、撮影が終わるとすぐに髪を切ったという。サンドラ・ブロックは推薦されて出演。脚本に時間が掛かったことに加え、この映画は苦難が多かった。スタローンが負傷、ロサンゼルスでは大雨、5人の助監督を始めとする多くのスタッフたちは他のプロジェクトも抱えて多忙になったり。度重なる延期で製作費も膨張。予定されていたシーンも変更。スタローン演じる「スパルタン」には「娘がいる」という設定。当初は作中に登場する予定だったが、ボツ。「サンドラ・ブロック演じるハックスリーがスパルタンの娘なのでは?」というのは誤解。「スパルタンの娘」は「地下で暮らす抵抗勢力のメンバー」というのが、構想にあった設定。スタローンがジェシー・ベンチュラと戦う構想はカットされた(実際に撮影されたのかどうかは不明)。1996年のシーンでの大爆破は実際に爆破して撮影(ロサンゼルスの古い水道電力局の建物が爆破されたらしい)。「冷凍刑務所」の外観はロサンゼルスのダウンタウンにあるメトロポリタン拘置所(いつかは冷凍刑務所になるかも)。「フランチャイズ戦争の後に生き残った唯一のレストランチェーンがタコベル」という未来設定。当初、「バーガーキングがレストラン戦争の勝者」として脚本に書かれていたが、バーガーキングとマクドナルドは映画制作に参加せず。タコベルが参加することになり、「未来世界の覇者」に。この映画のヨーロッパ版ではタコベルではなく「ピザハット」。これはタコベルが米国とカナダ以外ではあまり知られていないため(当時、タコベルとピザハットはペプシコの傘下にあった)。主題歌はスティング「Demolition Man」。撮影の遅れなどで制作費とマーケティング費を合わせたコストは9700万ドル(予測)。全世界で1億5910万ドルの興行収入。未来を描いた傑作。過激なシーンがあるため評論家の評価は賛否両論。個人的には「かなりの傑作」と評価。いつの時代にあっても「スタローン演じるキャラ(荒っぽい)」が変わらないのが面白かった。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

デモリションマン 日本語吹替音声追加収録版 [Blu-ray]

2025年7月18日金曜日

『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

「金洋ロードショー:映画ブログ」過去のトラウマに苦しむ元・山岳救助隊員が雪山で武装強盗団に脅される。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.山岳救助隊

『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

ロッキー山脈で救助活動をするゲイブ(シルベスター・スタローン)。同僚で親友のハル(マイケル・ルーカー)が恋人サラ(ミシェル・ジョイナー)と共に遭難。サラの救出に失敗したゲイブは恋人ジェシー(ジャニーン・ターナー)と別れ、山を下りた。


2.悪役

『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

武装強盗団のボス、エリック・クアレン(ジョン・リスゴー)。デンバー造幣局の局員リチャード・トラヴァース(レックス・リン)と組んで財務省の航空輸送機に積まれた1000ドル札を強奪。ところが雪山に奪ったカネをアクシデントで落下。山に詳しいゲイブとハルを脅迫し、道案内させる。クアレンの手下は妻クリステル(キャロライン・グッドール)、凶暴な黒人キネット(レオン)ら。


3.トリビア

『クリフハンガー』(1993年)「元・山岳救助隊員が武装強盗団と雪山で死闘」

「カロルコ・ピクチャーズ」製作。当初、スタローンはカロルコが企画したコメディに出る予定だったが、ボツ。さらに二転三転して、この『クリフハンガー』に。「代表作の一つ」と言ってもいいハードアクション作となり、悲しい過去を背負うキャラを好演(どうやらスタローンは「不幸・逆境を背負うキャラ」が似合うようだ)。高所恐怖症であるにもかかわらず高山での危険なアクションに挑戦(実際は「登山シーン」のほとんどは代役らしい。残念)。当時、この映画のポスターに乗った自分の写真が小さいことを気にしたスタローン。「自分の人気はもう落ちたのか?」と誤解したという。スタローンは脚本にも関与。悪役「クアレン」役にデヴィッド・ボウイの名が上がったが、スケジュールの問題。クリストファー・ウォーケンが降板してジョン・リスゴーがメインの悪役に。イタリアで撮影。予算は7000万ドル(配給権と引き換えに「トライスター・ピクチャーズ」が出資、他にもカロルコの株主、銀行の融資で資金調達。全世界で2億5500万ドルの収益。ヒットしたため、全額返済できた。しかし、カロルコは興行収入のごく一部しか受け取ることができず、スタローンのギャラも減額)。「ディレクターズカット版」なるものがあったが、上映時に多くの批判、低評価。その理由は「スタントが馬鹿げたほど大袈裟に誇張されていたこと」(「現実にはありえないオーバーなシーンがたくさんあった」の意)。迫力のアクション。「史上最も費用のかかった空中スタント」としてギネス世界記録(スタントマンのサイモン・クレインは2機の飛行機の間を行き来する空中移動シーンを演じ、100万ドルのギャラ)。第66回(1993年度)アカデミー賞で「視覚効果・音響編集・録音」の3部門にノミネート。続編が企画されたが、実現せず。こういう映画に続編は似合わない。それでよかった、と思う。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

クリフハンガー 4Kレストア版 [Blu-ray] 

2025年7月6日日曜日

『刑事ジョー ママにお手あげ』(1992年)「刑事のママが銃器横流し事件に関与」

「金洋ロードショー:映画ブログ」凄腕の刑事が悪徳企業とママに翻弄されて右往左往。オムツ姿の珍シーンも。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.コメディ

『刑事ジョー ママにお手あげ』(1992年)「刑事のママが銃器横流し事件に関与」

刑事ジョー・ボモウスキー(シルヴェスター・スタローン)。相棒と組んで危険な捜査活動の日々。上司グウェン(ジョベス・ウィリアムズ)と交際しているのは公然の秘密。凶悪犯には強いジョーだが、女性には弱い様子。会うのを避けてきたママ(エステル・ゲティ)が突然、訪ねてくることに。「避けてきた理由」が判明。朝から大量の食事、手入れ済みの銃を洗剤で洗って台無し、仕事に介入、ジョーの子供の頃の写真を誰にでも見せるなど自由な振る舞いのママ。そして、町の怪しい男から違法な銃を購入。ママにウンザリしてきたジョーだが、それをキッカケに保険金詐欺の捜査を始める。


2.トリビア

『刑事ジョー ママにお手あげ』(1992年)「刑事のママが銃器横流し事件に関与」

当時、コメディタッチな演出の作品に出演していたスタローン。この作品は少し恥ずかしいレベル。何とオムツ姿になってしまう。他にもシャワーシーンで裸体。女にぶん殴られるシーンも。ただ、「体を張る」のはいつものこと。「観客を笑わせよう」というスタローン、およびスタッフの意欲を素直に楽しむのがオススメ。興行収入はまずまず。スタローンを嫌う映画批評家は案の定、「低評価」。スタローン自身も「出演しなければよかった」「太陽系全体でも最悪の映画の一つ」とホンネを後に語っている。元々はアーノルド・シュワルツェネッガーにオファーされたが、「脚本が本当にひどい」と感じたシュワは出演拒否。ところが「興味がある」フリをしたシュワ。それを知ったスタローンが「俺が出演する」と手を上げ、結果的に罠に掛けられた形になってしまった(二人の「静かなライバル争い」がうかがえるエピソード)。監督ロジャー・スポティスウッド。「グウェン」を演じたジョベス・ウィリアムズは『クレイマー、クレイマー』『ポルターガイスト』でも有名。笑えるシーンに迫力のアクション。悪役もどこかしらコミカル。スタローンにもこういう作品があっていい、と個人的には思う。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

刑事ジョー ママにお手あげ [DVD]

2025年6月27日金曜日

『オスカー』(1991年)「ギャングのボスがオヤジの遺言でカタギに?」

「金洋ロードショー:映画ブログ」ギャングのボスがカタギになろうとするがライバルギャングや警察に信用されず、結婚騒動も発生。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.コメディ

『オスカー』(1991年)「ギャングのボスがオヤジの遺言でカタギに?」

1931年、ギャングのボス、アンジェロ・プロヴォローネ(シルヴェスター・スタローン)が臨終の父(カーク・ダグラス)に最後の面会。「カタギになれ」と命じられたアンジェロは銀行に出資して理事になろうとする。ところが逆にライバルギャングや警察にますます怪しまれ、おバカな娘リサ(マリサ・トメイ)は結婚騒動を起こして複雑な展開に。忙しい一日となったアンジェロ。次々に発生するトラブルをどう解決するか?


2.トリビア

『オスカー』(1991年)「ギャングのボスがオヤジの遺言でカタギに?」

スタローンがコメディ出演。1967年のフランス映画のリメイク。舞台は大恐慌時代のニューヨーク。「オスカー」というのは主人公アンジェロの元・運転手で、「アンジェロの娘を妊娠させた」と誤解されているキャラ。監督ランディスが最初に主役に選んだのはアル・パチーノ。200万ドルのギャラだったがそれを蹴って『ディック・トレイシー』に出演(300万ドルのギャラ)。パチーノはカネで仕事を選び、その意思を正直にランディスに伝えた。マリサ・トメイは当時、ほぼ新人。後に数々の映画出演。大物と共演したり、交際したりとスッカリ大物になった。主人公アンジェロが誤解、ウソ、ライバルや警察の警戒心、どこか抜けた子分らによって生じるドタバタに翻弄されたりする姿が「笑い」の映画。トークと表情で笑わせる楽しい内容。次から次へといろんなことが起こるためストーリーを言葉で説明するとややこしい映画ですが、難しい映画ではありません。ただ、興行的には失敗し、映画批評家からは否定的な評価(いつものこと。映画批評家はスタローンが嫌いなのだろう)。スタローンは『オスカー』が今でも気に入っているらしく、「ああいうドラマは大好き」と語っているように最初から最後まで楽しめる作品。メインキャラに加え、個性的な顔のティム・カリー、大ベテランのカーク・ダグラス、ドン・アメチー。愉快な演技が楽しい傑作です。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

オスカー [DVD]

2025年6月16日月曜日

『デッドフォール』(1989年)「ライバル刑事コンビがワナで刑務所送り」

「金洋ロードショー:映画ブログ」ロサンゼルスの対照的な刑事二人が犯罪組織のワナに反撃。コミカルシーン&アクション。見所を紹介。

(YouTube)予告編 

1.アクション&コメディ

『デッドフォール』(1989年)「ライバル刑事コンビがワナで刑務所送り」

ロサンゼルス市警の刑事タンゴ(シルヴェスター・スタローン)とキャッシュ(カート・ラッセル)。共に「凄腕」であるが、対照的。スーツ姿でメガネを掛けて株式新聞を読むタンゴは「気取り屋」。キャッシュは「アメリカの兄ちゃん」といった感じの雰囲気。しかし、犯罪者に容赦ないところは共通。そのせいで二人は悪辣な麻薬組織にニラまれている。


2.悪役

『デッドフォール』(1989年)「ライバル刑事コンビがワナで刑務所送り」

麻薬組織。そのボス(ジャック・パランス)は冷静な態度ではあるが、冷酷。手下のレキン(ブライオン・ジェームズ)は凄い顔で、暴力的。中国系組織ともつながりがあり、そのボスはクワン(ジェームズ・ホン)。ワルが集結し、タンゴとキャッシュに殺人の罪を着せる。刑務所送りになったタンゴとキャッシュはそこで当然のように囚人たち(かつて二人に捕まった連中)から狙われる。その結果は?


3.トリビア

『デッドフォール』(1989年)「ライバル刑事コンビがワナで刑務所送り」

カート・ラッセルが女装するシーンもあるコメディなアクション作。『ニューヨーク1997』で「スネークと呼べ」とカッコいいセリフを言っていたラッセル。今回は全く違うキャラで、『ゴーストハンターズ』のときのような「陽気な男」役。キャッチコピーは「Let's do it.」(やってやろうぜ)。監督はアンドレイ・コンチャロフスキーほか、複数。内容をめぐって何度も脚本が書き直されたり、意見の衝突があったため。その結果、目まぐるしい展開の映画に。悪役で出演したブライオン・ジェームズは「映画は最初から混乱していた」「自分のキャラクターをスタローンが気に入った」「そのため完成が予定より数か月遅れた」と語る。ストーリー上の悪役はジャック・パランスだったが、スタローンによってジェームズがメインの悪役になった。元々、主演はスタローンとパトリック・スウェイジの予定。ところがスウェイジが降板して『ロードハウス/孤独の街』に主演。その後、カート・ラッセルが代わりに出演することに。さらにプロデューサーと「ワーナー・ブラザーズ」の間で法廷闘争する場外乱闘も発生。「ワーナー」は『コブラ』で経験した「過激なシーン」をめぐる問題から撮影済みの問題アリなシーンのカットを要求。これによってさらに完成が遅れ、映画の予算は2千万ドルもオーバー。その混乱を物語る「劇場版予告編」。本編からカットされたシーンが入っている。そういったトラブルから「この映画にはウンザリ」という関係者も。スタローンはまるでプロデューサー、監督、脚本家のように頑張り、撮影をまとめた。後にスタローン「あの映画でとても楽しい時間を過ごした」「カートはプロらしく完璧に演じた」と語っている。興行収入も良好。5,400万ドルの製作費で1億2,000万ドル以上の収益。ビデオもよく売れ、ロシア、ウクライナでも人気作となった。出演は他にタンゴの上司役でジェフリー・ルイス。マイケル・J・ポラードはキャッシュの友人で武器技師の「オーウェン」を演じ、コミカルなシーンを提供。スタローン演じるタンゴが麻薬組織のトラックを銃撃で止めるシーンはジャッキー・チェン『ポリス・ストーリー/香港国際警察』(1985年)に敬意を表して再現(スタローンはジャッキーと面識があり、ジャッキーのハードアクションを絶賛)。撮影上の困難があった映画だが、スタローンはヒットしたこともあって満足したらしい。続編のストーリーを準備しており、カート・ラッセルに出演を勧めているようだが、共にアクションスターとしての全盛期を過ぎたことを理解しているラッセルにはその気はないようだ。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

デッドフォール [Blu-ray]

2025年5月28日水曜日

『ロックアップ』(1989年)「模範囚がなぜか地獄の刑務所に移送」

「金洋ロードショー:映画ブログ」出所間近の模範囚が突然、警戒厳重な刑務所に移送。執念深い所長による恐怖の復讐。見所を紹介。

(YouTube)予告編         

1.模範囚

『ロックアップ』(1989年)「模範囚がなぜか地獄の刑務所に移送」

出所間近の模範囚フランク・レオン(シルヴェスター・スタローン)。かつてはワルだったが、その後、改心。しかし、強盗に過剰防衛で服役。義父の死に目に会うため面会の許可を申請したが、ドラムグール所長に許可されなかったため止むを得ず脱獄。刑期は延びたが、恋人メリッサ(ダーラン・フリューゲル)は面会に刑務所を訪れたりしながらレオンの帰りを待つ。


2.悪役

『ロックアップ』(1989年)「模範囚がなぜか地獄の刑務所に移送」

出所を待つばかりのレオン。ところが別の刑務所に移送。そこはあのドラムグール(ドナルド・サザーランド)が所長を務める凶悪犯ばかりの刑務所。ドラムグールはレオンに脱獄されたことで左遷され、レオンに強烈な恨み。生きて出所させないつもり。そんなドラムグールに協力するのは部下のメイズナー(ジョン・エイモス)、マンリー(ジョーダン・ランド)、囚人チンク(ソニー・ランダム)ら。「意外な裏切り者」もレオンをピンチに陥れる。


3.トリビア

『ロックアップ』(1989年)「模範囚がなぜか地獄の刑務所に移送」

監督ジョン・フリン。『ランボー』シリーズでおなじみ「カロルコ・ピクチャーズ」制作(「カロルコ」は次第に製作費を増やしていくなど勢いがあったが、『カットスロート・アイランド』と『ショーガール』で失敗、破産。権利関係は「20世紀フォックス」に5000万ドルで買い取られた)。撮影は「東ジャージー州刑務所」で行われ、本物の囚人がエキストラ出演(ここでは他にも『マルコムX』『ザ・ハリケーン』『オーシャンズ11』の撮影。映画に理解のある刑務所のようだ)。スタローンの他にトム・サイズモア、フランク・マクレーが囚人役。「メリッサ」役のダーラン・フリューゲルは『シカゴ・コネクション/夢みて走れ』(1986年)でもおなじみ。興行的には2400万ドルの製作費で2210万ドルの収益。映画に対する評価も低め。「スタローン人気」で制作されたようだが、ストーリーに無理があった。ただ、アクションシーンは迫力。スタローンらしい映画だったと思う。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

ロックアップ [Blu-ray]

2025年5月23日金曜日

『オーバー・ザ・トップ』(1987年)「トレーラー乗りのアームレスラー」

「金洋ロードショー:映画ブログ」トレーラーの運転手が離れて暮らしてきた息子と再会。腕相撲大会で全てを賭ける。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.親子

『オーバー・ザ・トップ』(1987年)「トレーラー乗りのアームレスラー」

トレーラーの運転手リンカーン・ホーク(シルヴェスター・スタローン)。ワケあって息子マイケル(デヴィッド・メンデンホール)とは10年間も会っていない。妻クリスティーナ(スーザン・ブレイクリー)が危篤状態。クリスティーナの「最期の頼み」でホークはマイケルと再会し、親子関係をやり直そうとする。しかし、クリスティーナの父でマイケルの祖父であるジェイソン・カトラー(ロバート・ロッジア)はそれを阻止しようとする。腕相撲大会で全てを賭けるホーク。試合に勝ってマイケルと新しい人生を歩もうとするが、その結果は?


2.祖父

『オーバー・ザ・トップ』(1987年)「トレーラー乗りのアームレスラー」

マイケルの祖父カトラー。コイツは一体、何者なのだろう?  豪邸に住み、誰に対してもエラそう。周囲には屈強なボディガード(プロレスのテリー・ファンク、ほか)。何が気に入らないのか、異常なほど義理の息子ホークを嫌悪。マイケルを自分の跡継ぎにしたいらしく、ホークをマイケルから遠ざけようとする。演じるロバート・ロッジアは悪役でおなじみ。『ピンク・パンサー4』『スカーフェイス』『私立ガードマン/全員無責任』など。トム・ハンクス『ビッグ』(1988年)では「おもちゃ会社の社長」で、悪役ではなかった。


3.トリビア

『オーバー・ザ・トップ』(1987年)「トレーラー乗りのアームレスラー」

ストーリー的にかなりやらかしてるような気がする映画。脚本はスタローン&スターリング・シリファント。ボクシング映画『チャンプ』に似た内容。ソチラの方はボクシングを通じて親子の交流を描いたものだが、コンセプトが同じ。それと比較されて、「『チャンプ』の強引なバージョン」という評価も。何とも盛り上がりにくい内容。少年マイケルは陸軍士官学校を卒業したが、実にナマイキで未熟。ストーリーが進むにつれて「キャラ変」するが、「イヤなガキ」といったイメージが最後まで継続。マイケルの祖父「カトラー」もどういう立場の人間であるのかが描かれていないため感情移入しづらい。肝心のアームレスリングのシーン。世界王者ボブ・“ブル”・ハーリーは過去 5 年間無敗の巨漢。どう考えてもホークが倒せる相手ではないと思うが、ホークはトレーラーを売り、そのカネで「自分の優勝」に賭ける(負けたらどうすんだ?)。しかも、「スタローンが静かに話すシーン」は「何を言っているのか分からない」と低評価。そんなツッコミどころがある『オーバー・ザ・トップ』。興行収入は「スタローン人気」でそこそこ。アームレスリング関係のシーン、出演者が見せ場。「“ブル”・ハーリー」役のリック・ザムウォルトは後の『プレシディオの男たち』(1988年)でショーン・コネリーにあっけなくやられる役で出演。「マッド・ドッグ・マディソン」役のランディ・ラニーは翌年『ランボー3/怒りのアフガン』に出演(ソ連の軍人役。ランボーと肉弾戦)。他に、後にプロレスラーになるスコット・ノートン。日本ではTV放送されて三種類の日本語吹替音声。ブルーレイ版にTBS版とフジテレビ版を収録。テレビ朝日版は事情があるらしく、ソフト化されていないそうだ。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

オーバー・ザ・トップ HDニューマスター版Blu-ray