2025年5月14日水曜日

『コブラ』(1986年)「荒っぽい刑事がイカれた集団を制裁」

「金洋ロードショー:映画ブログ」型破りな刑事が重武装したカルト集団と派手に激突。見所を紹介。


(YouTube)予告編

1.刑事

『コブラ』(1986年)「荒っぽい刑事がイカれた集団を制裁」

ロス市警「ゾンビ班」のマリオン・コブレッティ刑事(シルヴェスター・スタローン)。ニックネームは「コブラ」。凶悪事件発生時に声が掛かる実力派。相棒トニー・ゴンザレス(レニ・サントーニ)はコブラのやり方(銃で解決)を支持するが、モンテ警部補(アンドリュー・ロビンソン)はイヤミったらしくコブラの仕事ぶりを批判。


2.悪役

『コブラ』(1986年)「荒っぽい刑事がイカれた集団を制裁」

カルト集団「新世界」。どういう理屈かわからないが、「殺人」で世直しすることを目指す集団。コブラから「病気」呼ばわりされてさらにエキサイト。リーダーは「ナイト・スラッシャー」(ブライアン・トンプソン)と呼ばれる男で、大型ナイフを武器とする。現職警官もこの集団のメンバーで、コブラを裏切るタイミングを狙う。


3.トリビア(キャスティング)

『コブラ』(1986年)「荒っぽい刑事がイカれた集団を制裁」

スタローン版『ダーティハリー』。『ダーティハリー』の「スコルピオ」でおなじみアンドリュー・ロビンソンが出演。レニ・サントーニはハリー・キャラハンの相棒役だった人。監督ジョージ・P・コスマトス、脚本シルヴェスター・スタローン。原作はポーラ・ゴズリングの小説『逃げるアヒル』。少し複雑な事情がある映画。スタローンが主演作『ビバリーヒルズ・コップ』の脚本を執筆。ところが「パラマウント」がコメディ色を取り去った脚本内容に難色を示し、結局『ビバリー~』は新たな脚本でエディ・マーフィが主演。スタローンの脚本は『コブラ』になった。初期の脚本と完成版には様々な相違点も(何かとコブラに皮肉をかますモンテが「新世界」のボス、という初期の設定はボツになった)。ナイト・スラッシャーの殺人現場を目撃したことで命を狙われるモデル「イングリット・ヌードセン」を演じたブリジット・ニールセン。身長183 cmの大きな女性であるが、襲われて恐怖に怯える役どころ。『ロッキー4/炎の友情』でスタローンと共演後、結婚。『コブラ』の撮影時点では夫婦だったが、後にアッサリ離婚。『ビバリーヒルズ・コップ2』では「ツラの皮が厚い」悪女の役だった(イメージ的にはコッチがニールセンらしい役だった)。「ナイト・スラッシャー」役のブライアン・トンプソン。この役のために何度もオーディションを受けた。当初、スタローンは「トンプソンはナイト・スラッシャー役を演じるには顔が優しすぎる」と考えたらしいが、結局、選ばれた。トンプソンは役作りのためスタローンにアドバイスを求めたが、「単に邪悪なだけのキャラクターだ」と返答されて特に有益なアドバイスはもらえなかったという。


4.トリビア(撮影時の話)

『コブラ』(1986年)「荒っぽい刑事がイカれた集団を制裁」

完成まで何度も編集された映画。最初のラフカットは2時間以上あった。当時、『トップガン』が大ヒット。スタローンと「ワーナー・ブラザース」はその後に公開予定の『コブラ』が目立たなくなることを懸念し、大幅に再編集(映画は短い方が「一日当たりの上映回数」が多くなる)。自分以外のキャラクターが登場するシーンの多くを削除したスタローン。「ワーナー」は生々しいシーンを「過激すぎる」という理由でカット。それでも「X指定」を受けたため、さらに多くをカットして「R指定」に(オリジナルはどのくらい過激だったのだろう? この作品のファンとしては観てみたいところ)。撮影時には様々なトラブル。スッカリ大物になったスタローンに残念な話がいくつか。脇役やエキストラは撮影現場でスタローンに話しかけることを禁じられたという。撮影が遅れて不満を持ったスタローン。しかし、それは新婚のスタローンがニールセンとイチャついたりしていたために起こったこと。それを撮影監督に指摘されて少し反省。しかし、自己中心的な態度は変わらず。テレビでバスケットボールの試合を観戦するのに夢中になって撮影をすっぽかしたことも。クライマックスシーンを「夜」に設定したスタローンだが、現地(シアトル)では蚊が大量発生。夜間の撮影が難しくなったため、結末を変更した。ハードアクション作ということで、スタントマンが負傷。ニールセンが車両に轢かれそうになるハプニングも。コブレッティが乗る車「1950年製マーキュリー」はスタローンの私物だそうだ。ナイトスラッシャーが使用した個性的なナイフはナイフデザイナーのハーマン・シュナイダー制作によるもの。スタローンがシュナイダーに「観客が忘れられないほど記憶に残るナイフ」を作ってほしいと依頼して完成。興行成績は良好(当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンも鑑賞したとか)。ただ『ランボー』には及ばず、映画評論家は過激シーンを嫌悪。スタローンは「感動的な映画」を作りたい人ではない。過激シーンが嫌いな映画評論家はディズニーのアニメや「泣ける映画」だけを選んで鑑賞すればよい。

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