2025年2月15日土曜日

『ロッキー5/最後のドラマ』(1990年)「引退したボクサーに次々と災難が」

「金洋ロードショー:映画ブログ」激しい試合を繰り返してきた世界王者が引退。しかし、トラブルが相次ぐ。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.新たな危機
『ロッキー5/最後のドラマ』(1990年)「引退したボクサーに次々と災難が」

プロボクシング世界ヘビー級王者ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)。モスクワでアマチュア世界王者イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)をKO。しかし、脳にダメージ。さらにバカな義兄ポーリー(バート・ヤング)がやらかし、全資産を失う。最悪の状況でオクラホマから出てきたヘビー級、トミー・マシン・ガン(トミー・モリソン)と出会う。新しい「人生の目標」が必要だったロッキー。亡くなったミッキー(バージェス・メレディス)が残してくれたジムを再開し、トミーを指導することに。

2.キャラクター
『ロッキー5/最後のドラマ』(1990年)「引退したボクサーに次々と災難が」

絶頂から再びドン底に落ちたロッキー。「やり直し」を勧める妻エイドリアン(タリア・シャイア)。ロッキー・ジュニア(セイジ・スタローン)はイジけた性格で、転落した生活にストレス。ポーリーは相変わらずロッキーの足を引っ張るダメキャラ。トミーは素直だったが、次第に自信を付けて尊大になっていく(イヤな奴)。ボクシング・プロモーターのジョージ・ワシントン・デューク(リチャード・ガント)は「大きな興行」をすることしか考えず、脳にダメージがあるロッキーをカムバックさせようとする。デュークと契約している若いヘビー級、ユニオン・ケインはロッキーが返上した空位の世界ヘビー級タイトルを獲得。ロッキーとの対戦を希望。

3.トリビア
『ロッキー5/最後のドラマ』(1990年)「引退したボクサーに次々と災難が」

『ロッキー4/炎の友情』(1985年)から時間が経って制作された第五弾。監督は一作目のジョン・G・アヴィルドセン。スタローンは脚本・主演。残念なことに興行収入では期待を下回り、シリーズ中最低(全世界での収入は悪くはなかった)。ストーリーを映画ファンから酷評され、スタローン自身も作品の出来に不満。そのためか続編の『ロッキー・ザ・ファイナル』の製作は2006年となった(余程「ロッキー」にウンザリしたようだ)。脚本は当初のものとは大きく違う。この「5」をシリーズ最終作にしようと考えていたスタローン。オリジナルの脚本ではロッキーはトミーとの戦いで痛めつけられ、路上でエイドリアンの腕の中で死んでいく構想だった。スタローンを「成功者」にした「ロッキー」というキャラ。スタローンがロッキーを殺そうと考えたのはなぜなのか? 引退、破産、家庭の不和、後遺症。ボクサーのリアルな悩みを描いた映画。個人的にはそんなに悪い映画だったとは思わない。キャスティングも充実。パート3で死亡したミッキーが回想シーンで登場。悪徳黒人プロモーター「デューク」はドン・キングがモデル(よく似てる)。トミー・モリソンは本物のボクサーでWBO世界ヘビー級王者になったが、2013年にエイズの合併症で死去(44歳没)。ロッキーの次の世界王者になった「ユニオン・ケイン」を演じたマイケル・ウィリアムズもヘビー級ボクサー。コチラはパワー不足のため現実世界では世界王者にはなれず。ロッキー・ジュニア役のセイジ・スタローンはスタローンの実子。後、『デイライト』(1996年)でも親子共演。しかし2012年、心臓発作で死去(36歳没)。一作目『ロッキー』(1976年)で「少女マリー」を演じたジョディ・レティシアは「落ちぶれた売春婦」役でこの「5」に登場予定だったが、カット(最後のストリートファイトのシーンに少しだけ登場しているらしい)。「少女マリー」は続編『ロッキー・ザ・ファイナル』に登場。ジョディ・レティシアではなく、ジェラルディン・ヒューズがこの役を演じた(「苦労しているシングルマザー」の役)。ロッキーは「5」ではリングに上がらなかったが、代わりにトミー・ガンとユニオン・ケインが好ファイト。試合のシーンの一部はフィラデルフィアの「ブルーホライゾン」で撮影された(この会場は1970年代にボクシングで大いに栄えていたらしい)。ジョン・G・アヴィルドセンがオンラインのみでディレクターズ・カット版を公開。未公開シーンが追加されるなどファンにとっては関心のある内容。しかし、DVDなどでのソフト化はされていないようだ。
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