「金洋ロードショー:映画ブログ」世界王座を取り戻したばかりの王者が「最強のアマボクサー」と極寒のモスクワで死闘。見所を紹介。
(YouTube)予告編
1.ソ連がやって来た
プロボクシング世界ヘビー級王者ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)。クラバー・ラングから世界王座を奪回。そんな状況であのソ連がプロボクシングに参入するというニュース。アマチュア世界王者イワン・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)が妻ルドミラ(ブリジット・ニールセン)、補佐役ニコライ・コロフ(マイケル・パタキ)らと渡米。目的はプロの選手とエキシビションを行って実力をアメリカに見せつけること。ドラゴがマスコミの前で驚異的なパンチ力をデモンストレーション。ヘビー級ボクサーが耐えられるより遙かに強いパンチをマシンに打ち込む。
2.元・世界王者
過去の栄光が忘れられない元・世界王者アポロ・クリード(カール・ウェザース)。ドラゴのエキシビションの相手に名乗り。ロッキーはそれに反対するが、アポロは記者会見でドラゴを挑発するなど絶好調。しかし、エキシビションだというのにドラゴはアポロに容赦ない攻撃。
3.復讐
無惨なKO負けを喫したアポロ。ロッキーはドラゴに復讐を誓うが、妻エイドリアン(タリア・シャイア)は猛反対。保持する世界王座の問題もある。何とモスクワでドラゴと勝負。サポートするのは義兄ポーリー(バート・ヤング)、アポロのトレーナーを務めてきたデューク(トニー・バートン)。雪深い山でロッキーは体を徹底的に鍛えてリングへ。
4.トリビア
監督・脚本も務めたシルヴェスター・スタローン。しかしながら、「アメリカこそ正義」といった「プロパガンダ」的な内容であったことや「ミュージック・ビデオ」のような内容であったことから映画評論家の中には作品を酷評する者も。個人的には高評価。ファイティングシーンの迫力、音楽シーンが効果的であったことなどが理由。この四作目の製作は「3」の成功後すぐに開始。「ドラゴ」を演じたドルフ・ラングレンは「背は高いが体の線が細すぎる」として一度は候補から外されたが、スタローンと共にウエイトトレーニング。増量に成功。ドラゴ役に決定。キャストはおなじみタリア・シャイア、カール・ウェザースら。アポロの妻「メアリー・アン」役でシルヴィア・ミールズ(『ロッキー2』以来、2度目の登場)。面白いのがゴルバチョフ書記長役でデビッド・ロイド・オースティン。「ゴルバチョフのそっくりさん」で有名で、『裸の銃を持つ男』にもゴルバチョフ役で出演(「頭のシミ」をイジられるシーン)。ロッキーがポーリーにプレゼントするロボットもまた「出演者」。マシンながら「全米映画俳優組合」のメンバーだそうだ。「ミュージック・ビデオのようだ」と言われた映画だけあって音楽が充実。サバイバーやジェームス・ブラウンらが参加。「Heart's on Fire」や「Living in America」などのヒット曲。ドラゴがトレーニングするシーンに登場するハイテクスポーツ用具は「未来のトレーニング」といった感じで良いデモンストレーションに。実際にロッキーをマネてハードなトレーニングをしたアスリートも(当時)。「ソ連のシーン」はアメリカで撮影(ワイオミング州ほか)。トラブルもいろいろ。脚本に関して著作権訴訟。脚本を書いたが却下された男がおり、「完成した映画が自分の脚本と似ている」と訴え。しかし、「無許可で書いたモノ」として権利を認められず。撮影では(何があったか)ラングレンがウェザースを投げ飛ばす暴挙。ウェザースはラングレンに罵声を浴びせ、エージェントに電話して映画を降板すると発表。スタローンが間に入って撮影再開。「ロッキー vs. ドラゴ」を迫力のあるものにするため、スタローンとラングレンは全力でパンチの交換。ところがスタローンの胸に強いパンチが当たり、スタローンは集中治療室に入院(ラングレンではなく代役のパンチだったという説も)。当時のアメリカ大統領ロナルド・レーガンはスタローンをホワイトハウスに招いて本作を絶賛。一方、ソ連のメディアは「あからさまな反ソ、反共プロパガンダ映画」としてスタローンを非難。製作中にスタローンとブリジット・ニールセンが婚約。公開後すぐに結婚した。1986年の映画「コブラ」で再び共演したが、1987年に離婚。賛否両論のパート4。何と「ディレクターズカット版」なるものが公開された。約38分の未公開映像(アポロの葬儀シーンなど)を紹介するためのものだったようで、オリジナル版を大幅にカットして未公開映像を挿入。カットされたのは「ロボットが登場するシーン」(ロボットに関する著作権料を節約するため、と言われている)、「ブリジット・ニールセンが登場するシーン」(離婚したから?)。アクション&音楽の映画ですが、ドラマ的なシーンもしっかり。シリーズが続くたびに登場人物が亡くなるのが残念ですが、人生をリアルに表現するとこういう形になるのでしょう。
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