2025年1月18日土曜日

『ロッキー3』(1982年)「絶頂期の世界王者&虎の目を持つ男」

「金洋ロードショー:映画ブログ」10連続防衛の世界王者が「最強の黒人」に壮絶なKO負け。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.調子に乗る男

『ロッキー3』(1982年)「絶頂期の世界王者&虎の目を持つ男」

プロボクシング世界ヘビー級王者ロッキー・バルボア(シルヴェスター・スタローン)。アポロ・クリード(カール・ウェザース)から王座を奪って以来、五年間勝ち続けて10度防衛。スッカリ大物になり、かつてのような「純真さ」は消え失せた。以前トチったCMの仕事も今では余裕でこなし、妻エイドリアン(タリア・シャイア)との関係も良好。公私ともに絶好調。そんな状況で連勝中の強打者の挑戦を受けることに。しかし、トレーニング中にカメラマンの撮影に応じたり、美女にキスされたりで全く練習に集中できていない。


2.最強の挑戦者

『ロッキー3』(1982年)「絶頂期の世界王者&虎の目を持つ男」

ロッキーに挑戦するクラバー・ラング(ミスターT)。モヒカン刈りの黒人で、ハードパンチャー。このところ荒っぽいKO勝ちを続けている。性格も荒く、世界王者ロッキー、元王者アポロに敬意を払わない。本編で語られることはなかったが、ラングは幼い頃に孤児となり、路上、孤児院、少年院で過ごしてきた過去。成人後に重罪で 5 年間刑務所で服役。そこでボクシングを習い、出所後は「フラストレーションを発散する手段」としてリングに上がってきた。誰も信用せず、ただひたすら相手を破壊することを望む「野獣」と化している。


3.トリビア

『ロッキー3』(1982年)「絶頂期の世界王者&虎の目を持つ男」

スタローンが脚本、監督、主演を務めた名作。一作目とは違って「成功したロッキー」は少し鼻につくキャラ。しかし、思いっ切りブチのめされたことで「本来のロッキー」に。パート2の公開直後にスタローンは「3」の準備。厳しい食事制限&トレーニングで体を絞った。「クラバー・ラング」役は当初、本物のボクサーであるジョー・フレージャーとアーニー・シェイバースの名が上がったが、共に「声」に問題があるということで見送られた。ミスターTはモハメド・アリのボディガードを務めたことがあり、演技の経験もある。イメージにピッタリなことからラング役に決定。特別出演でハルク・ホーガン。しかし、所属するWWFの許可を得ずに出演したことで、WWFから干された。新たな戦場「AWA」で活躍。シリーズのレギュラー、ポーリー(バート・ヤング)は相変わらず困った奴。ロッキーのトレーナー、ミッキー(バージェス・メレディス)はロッキーとラングを戦わせたくない様子。ボクシングのシーンでは本物のリングアナ、ジミー・レノンが登場。レフェリー役でマーティ・デンキン、ルー・フィリッポ(本物のレフェリー)。当時はまだ売れていなかったモーガン・フリーマンが「ラングのトレーナー」役のオーディションを受けたが不合格。映画を大いに盛り上げた主題歌「アイ・オブ・ザ・タイガー」は大ヒットし、第55回アカデミー賞で最優秀オリジナル歌曲賞にノミネートされた。映画で流れる「アイ・オブ・ザ・タイガー」は「デモ版」で、「完成版」はサウンドトラックに収録された、とのこと。「3」の撮影のために制作されたロッキー像はその後フィラデルフィアに寄贈された。この作品を低評価する者もいるが、「ロッキーとエイドリアンの浜辺での会話」など感動的な名シーンもある。傑作なのは間違いない。

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