2024年12月10日火曜日

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』(1990年)「名作をカラーでリメイク」

「金洋ロードショー:映画ブログ」ロメロの名作をトム・サヴィーニがリメイク。カッコよく変身していくヒロイン、頼もしい黒人。見所を紹介。


(YouTube)予告編

1.リメイク

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』(1990年)「名作をカラーでリメイク」

あの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)をジョージ・A・ロメロ監督作でおなじみトム・サヴィーニがリメイク。ロメロは製作総指揮。内容は説明不要。墓参りにやってきたジョニー(ビル・モーズリー)とバーバラ(パトリシア・トールマン)の兄妹が突然現れたゾンビに襲われ、近くの民家に助けを求めて逃げるというもの。ゾンビが出没していることを知らなかったバーバラ。テレビが放送中止になるほどゾンビによって世の中が混乱している状況だというのに。オリジナルと同様、そういったツッコミどころもあるストーリー。


2.キャラ

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』(1990年)「名作をカラーでリメイク」

オリジナルとほぼ同じ。しかし、「キャラの魅力」に大きな違い。トールマン演じる「バーバラ」(ショートカットの美人)。最初はゾンビにビビりまくるが、戦う決意。ショットガンでゾンビを倒していくシーンは実に勇ましい。黒人男性ベン(トニー・トッド)はバーバラと共にゾンビと戦う意向であるが、卑怯者ハリー・クーパー(トム・トウルズ)は地下室に隠れて救助を待つつもり。トム(ウィリアム・バトラー)とジュディ(ケイティ・フィナーラン)のカップルはベンに協力。ハリーの妻ヘレン(マッキー・アンダーソン)は夫の態度に幻滅。ハリーの娘サラ(ヘザー・メイザー)はゾンビに噛まれて意識不明。他に、ゾンビハンターの連中、彼らを取材する報道陣など。


3.トリビア

『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド/死霊創世紀』(1990年)「名作をカラーでリメイク」

オリジナル版『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968年)では「著作権表示」を記載しなかったミスによりロメロ監督は利益をほとんど得られなかったという。そんな経緯から制作されたこのリメイク。「コロンビア・ピクチャーズ」が購入して、上映。興行収入はイマイチで、作品の評価はまずまず(金儲けのための作品で、オリジナルのような衝撃がないと批判された)。サヴィーニ自身も「人生最悪の悪夢」と振り返る。プロデューサーと衝突し、自分のアイデアの40%ほどしか映画に採用されなかったらしい。しかも、「X指定(16歳以下の観客は鑑賞できない)」を避けるため残酷描写をカット。この映画が不評だったのはこれらをカットしたせいだとサヴィーニは信じる(カットされたシーンは特典映像で観られる。銃でゾンビの頭を破壊するシーンが主にカットされた)。撮影ではちょっとしたエピソード。ゾンビ役のエキストラは希望者が多く、簡単に集まった(サヴィーニがスカウトした人物、知人、スタッフがよろこんでゾンビになったという)。舞台となった民家の持ち主の女性もゾンビ役でチョイ役出演。ストーリー上の民家の持ち主である「太っちょゾンビ」を演じたのは警官が本職の男。墓場でバーバラの兄ジョニーが殺されるショッキングなシーンはリアルな人形。『死霊のえじき』(1985年)と同様、ゴムで作った武器や人形を効果的に使うことで迫力のあるシーンが撮影できた。パトリシア・トールマンとトム・サヴィーニは同じ大学出身(ペンシルベニア州ピッツバーグ、カーネギーメロン大学。トールマンが男とケンカしているところをサヴィーニは見たことがあるとか)。評価が低めの映画。しかし、近年では評価上昇。個人的には「バーバラの魅力」を高めたという点で大いに評価したい。

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