2024年12月2日月曜日

『フライングハイ』(1980年)「わざとらしいギャグを見せたいだけの映画(でも楽しい)」

「金洋ロードショー:映画ブログ」旅客機内で起こったパニックを古い映画のパロディとアホくさいギャグで描いた珍作。見所を紹介。


(YouTube)予告編

1.大物

『フライングハイ』(1980年)「わざとらしいギャグを見せたいだけの映画(でも楽しい)」

実にアホらしい映画。それなのに、かなりの大物が出演。旅客機の機長役でピーター・グレイブス(『スパイ大作戦』の「ジム・フェルプス」役であまりにも有名)。副操縦士役でカリーム・アブドゥル=ジャバー(NBAバスケットのスーパースター。「欲しいモノがあるから3万ドルのギャラをくれ」と要求。ホントにそれを買ったという)。空港の管制官役でロイド・ブリッジス(ジェフ・ブリッジスとボー・ブリッジスの父。大ベテランだが、キャリア後半は『ホット・ショット』(1991年)での大ボケ役などコメディに出演)。


2.意外

『フライングハイ』(1980年)「わざとらしいギャグを見せたいだけの映画(でも楽しい)」

あのレスリー・ニールセンが医師の役で登場。しかし、後の『裸の銃を持つ男』(1988年)とは違ってシリアスな演技。おバカな笑いのシーンもありますが、この頃はまだニールセンは「二枚目」路線だったようです。


3.パニック

『フライングハイ』(1980年)「わざとらしいギャグを見せたいだけの映画(でも楽しい)」

映画の内容は「あるある」な内容。旅客機内で食中毒発生。どうやら機内食の魚がよくなかったらしい。次々に倒れていく乗客。残念なことに機長もダウン。元戦闘機パイロットのテッド・ストライカー(ロバート・ヘイズ)。別れを告げて去っていったスチュワーデスのエレイン(ジュリー・ハガティ)を追っかけて、この旅客機に乗っていた。機長の代わりに操縦することになったテッド。戦闘機乗りだった頃のトラウマを乗り越えることができるか?


4.トリビア

『フライングハイ』(1980年)「わざとらしいギャグを見せたいだけの映画(でも楽しい)」

ウケ狙いの映画(アメリカで大ヒット)。監督はジム・エイブラハムズ、デヴィッド・ザッカー&ジェリー・ザッカー兄弟の三人。アカデミー賞とは無縁の「バカ映画」を得意とする人たち(ジェリーは『ゴースト/ニューヨークの幻』(1990年)でアカデミー作品賞にノミネート)。チョイ役で監督、および関係者が出演。ザッカー兄弟の母は乗客の役で、揺れる機内でメイクしようとして口紅がうまく塗れないマヌケな役どころ(『裸の銃を持つ男』三部作にも出演)。飛行機が空を飛ぶシーンはおもちゃの飛行機&綿で作った雲(安上がり)。しかし、空港ロビーに機体が突っ込むシーンは4万ドルをかけた模型(しかし、ストーリーには関係ないシーンだった)。経費削減のため、エキストラは「俳優の周辺を通る人たち」のみ。古い映画のパロディが挿入されていますが、その映画を観たことがない人には「パロディ」であることがわからない。ピーター・グレイブスはこの映画のオファーに困惑。しかし、奥さんの勧めで出演快諾。カリーム・アブドゥル=ジャバーが出演。監督らは元々は野球のピート・ローズに出てもらいたかったようだが、シーズン中になってしまうため変更。野球ネタをバスケネタに切り替えた。わずか34日で撮影したが、結構長い映画に。しかし、「試写会でウケなかったシーン」をバッサリとカット。結果的に「短い映画(88分)」となった。何と同じようなコンセプトでパート2も制作された(『フライングハイ2/危険がいっぱい月への旅』)。しかし、エイブラハムズ監督らは一作目で「飛行機ネタ」には飽き飽き。パート2の制作には一切関わっておらず、観たことすらないそうだ。

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