2024年12月4日水曜日

『燃えよドラゴン』(1973年)「壮絶な死闘&妙なツッコミどころ」

「金洋ロードショー:映画ブログ」ブルース・リーが撮影完了後に死亡した伝説のカンフー作。名シーンだけではなく、妙な演出も。見所を紹介。


(YouTube)予告編

1.伝説

『燃えよドラゴン』(1973年)「壮絶な死闘&妙なツッコミどころ」

撮影完了後に死亡したブルース・リー。若い頃からケンカばかりの人生。長く生きられなかったのも仕方がない。父親は有名な俳優。子役として人気があったリーは調子に乗ったのだろう。ケンカざんまいの日々。このままではいつかチンピラに殺されると考えた父はリーをアメリカに送り出す。リーはそこで一からやり直し。元々アメリカ生まれのため、水に合ったようだ。武術の研究と演技にのめり込む。TVシリーズ『グリーン・ホーネット』に出演。しかし、アメリカでは主役になれない。香港に凱旋帰国。カンフー作三本が地元で大ヒット。そして待望のアメリカ資本の映画で主演のオファー。『燃えよドラゴン』。役どころは「少林寺の高弟リー」。妹を殺した敵を倒すため、悪党の島に乗り込む話。


2.悪役

『燃えよドラゴン』(1973年)「壮絶な死闘&妙なツッコミどころ」

島を購入し、そこで悪事を働くハン(シー・キエン)。元・少林寺の僧だが、カンフーを悪用している。片手が義手(なぜ手を無くしたのかは本編で語られることはなかった)。ボディガードはオハラ(ボブ・ウォール)とボロ(ヤン・スエ)。三人とも非情な殺人者。


3.

『燃えよドラゴン』(1973年)「壮絶な死闘&妙なツッコミどころ」

この映画をミステリアスな雰囲気にしているのは女キャラ。情報局工作員のメイ・リン(ベティ・チュン)はリーにハンに関する情報を提供する役どころ。ハンの部下タニア(アーナ・カプリ)は島にやってきたゲストをもてなしたり、監視したりする役目。ハンは女たちをヘロイン中毒にして金持ち連中に売るビジネス。クスリで頭がイカレたペイント顔の女たち(中国人女優を起用できなかったため「夜の女」が雇われたという)は目の前で人が殺されてもゲラゲラ笑い続ける。リーの妹スー・リン(アンジェラ・マオ)は強いが大勢の男たちには敵わない。


4.珍演出

『燃えよドラゴン』(1973年)「壮絶な死闘&妙なツッコミどころ」

ブルース・リーの映画にはツッコミどころがあることで有名。リーが命懸けで撮影した『燃えよドラゴン』にもそんなシーンが。ハンが「行き場のない酔っぱらいども」を地下に監禁している、という設定。一体、ハンは何のために彼らを閉じこめておいたのだろう? 結局、彼らは逃げ出し、ハンは追い詰められてしまうのだ。ハンの女ビジネス(女をヘロイン漬けにして売り飛ばす商売)。「薬物でおかしくなった女」を金持ちが買うだろうか? 買った奴は中毒患者にすぎない女の扱いにさぞ困ることだろう。ラスト近くの乱闘シーンにも問題。ハンの手下と監禁されていた連中が入り乱れて決闘。その中に「寝そべっている奴」が。そのちょっと前、リーがハンの手下を連続キックするシーンでは後ろの奴が大笑い(いるんだよな、こういうエキストラ。マジメにやれ)。


5.トリビア

『燃えよドラゴン』(1973年)「壮絶な死闘&妙なツッコミどころ」

あまりにもエピソードが多い映画。少し紹介。元々のタイトルは『BLOOD AND STEEL(血と鋼)』。しかし、ブルース・リーの芸名「李小龍」を使って『Enter the Dragon』に変更。高僧を演じたロイ・チャオ。意外なことにヘリの操縦ができる。ヘリから撮った島は「ハンの島」として本編に挿入された(島とハンが住む建物は別の場所にある。編集の巧みさで同じ島の中にあるように見えるのがスゴイ)。また、高僧とリーが哲学を語るシーンは劇場公開時にはカットされた。「説教くさいシーン」と当時のスタッフは判断したらしい。香港の港と船が印象的なシーンがあるが、スタッフが用意した船が積み荷ごと盗まれるハプニング。ハンの手下役で300人のエキストラ(カンフー道場の生徒たち)。彼らがカンフーの練習をする場所となったのはテニスコート。着色して野外道場に仕立て上げた。ハンが格闘大会参加者をもてなす宴会のシーンは三日かけて撮影。しかしその間、料理が傷んでニオってしまったそうだ。

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