2026年4月4日土曜日

「純金映画ブログ」『007は二度死ぬ』(1967年)「あのスペクターが日本で暗躍する五作目」

英国秘密情報部(MI6)の諜報部員が日本に潜伏する犯罪結社と対決。珍シーン連発の見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.第五弾

「純金映画ブログ」『007は二度死ぬ』(1967年)「あのスペクターが日本で暗躍する五作目」

おなじみ英国秘密情報部(MI6)の諜報部員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)。香港で女とイチャつくが、銃撃される。水葬されて海の底へ。MI6の部長「M」(バーナード・リー)、「M」の秘書マネーペニー(ロイス・マクスウェル)、MI6の道具屋「Q」(デスモンド・リュウェリン)らは平常運転。「Q」は秘密兵器「リトル・ネリー」を持って日本へ。


2.ついに素顔が

「純金映画ブログ」『007は二度死ぬ』(1967年)「あのスペクターが日本で暗躍する五作目」

今回の悪役はおなじみ「スペクター」。世界規模の犯罪組織が日本で悪巧み。あるアジアの国の依頼でアメリカとソ連を戦わせる計略。そのために両国の宇宙船を宇宙で奪取。米ソは互いに犯行を疑い、核戦争へのカウントダウンが始まる。


3.珍シーン

「純金映画ブログ」『007は二度死ぬ』(1967年)「あのスペクターが日本で暗躍する五作目」

スペクターおよび奪われた宇宙船を追って日本に潜入するボンド。ここから珍シーン連発。相撲取り(第50代横綱の「佐田の山」)からメモを受け取って相撲観戦。風呂に入るシーンでは下着姿の複数の女性に体を洗ってもらう(それは「普通の風呂」じゃないぞ)。スペクターが潜伏する島で情報収集するため日本人に変装して日本女性と偽装結婚(ワザワザそんなことする必要があっただろうか?)。鍛えられた忍者部隊がスペクターのアジトに迫るシーンでは銃撃されて多くの忍者があっけなく死亡(これまでのハードな訓練は何だったのか)。


4.トリビア(キャスティング)

「純金映画ブログ」『007は二度死ぬ』(1967年)「あのスペクターが日本で暗躍する五作目」

非常にエピソードが多い映画(一冊の本が書けるぐらい)。ショーン・コネリーはジェームズ・ボンド役にうんざり。日本での撮影中、ボンド役を引退することを発表。製作者サルツマンとブロッコリは出演料の値上げでコネリーを説得。結局、本当にコネリーはこれで降板(ギャラを吊り上げるための交渉術ではなかった)。後に一度だけカムバックした。世界的人気のコネリー。日本ではマスコミ、ファンのおっかけで疲弊(トイレにまでファンが)。プライバシーを守るためガードマンを雇ったが、そのガードマンもコネリーをカメラ撮影する有様。「秘密警察のボス」役で丹波哲郎(監督ルイス・ギルバートの作品に出たことがあったのが選ばれた理由)。製作陣は三船敏郎をキャスティングしたかったようだが、三船は別の仕事があった。丹波哲郎は英語が上手いことで有名だが、セリフは別人によって吹き替え。「英語の発音が悪く、日本の公安のトップ役にはふさわしくない声だった」というウワサもあるが、「堂々とした話しぶりがむしろ敬遠された」という説も。「ボンドガール」として東宝の若林明子&浜美枝。レッスンの結果、若林は英語が上達したが、浜はサッパリ。結局、役を入れ替えて撮影。前半は若林、後半で浜の活躍シーン。スペクターのメンバー「ヘルガ・ブラント」役でカリン・ドール(ドイツの女優さん)。「金髪美女」を求めるオーディションであったため、髪を染めて参加。ピラニアのいるプールに落ちるシーンではスタントなしで自ら落下。ドイツでは「自身で演じる」のが常識だったためドールもいつものようにしただけだった。ただ、それをするとスタントマンの仕事を奪う形になるため、ドールは「自分とスタントマンのどちらか良かった方を本編に使って欲しい」と申し出たそうだ。スペクターのボス「ブロフェルド」役はドナルド・プレザンス。元々は別の役者がブロフェルド役だったが「迫力不足」のため降板。プレザンスの「悪役顔」が製作陣の目に留まって抜擢。しかし、「目のキズ」のメイクに接着剤が使われ、肌が荒れたという。スペクターのメンバー「大里」を演じた島田テルはかなりのベテランで、アメリカでの経験が豊富。『ピンク・パンサー』シリーズでおなじみのバート・クウォークがブロフェルドの部下役(『ゴールドフィンガー』に続いて二度目の出演)。大里化学の社長室でボンドを格闘するタフ男はサモア出身のプロレスラー、ピーター・メイビア(あの「ザ・ロック」ドウェイン・ジョンソンの祖父)。日本在住の英国人「ディッコ・ヘンダーソン」を演じたチャールズ・グレイ。後に『ダイヤモンドは永遠に』でブロフェルド役を担当。相撲のシーンでは本物の力士たち(土俵で相撲を取るのは琴櫻と富士錦)。ショーン・コネリーの当時の妻ダイアン・シレントは泳ぎが得意であったため、海に潜るのが苦手な日本人女優の代役をこなした。忍者役で本物の武術の専門家が出演。香港のシーンに登場する女優ツァイ・チンは舞台、テレビで活躍していた人で、モデルの仕事も(父が京劇の役者で、裕福な家庭)。この映画の後も活躍。『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)にも登場。海女役で松岡きっこがチョイ役出演しているそうだ。ブロフェルドが飼っているペルシャネコ。この子は実はCMにも出演している「有名人」らしい。しかし、空砲が撃たれる撮影でビックリ。撮影所から逃げ出して行方不明。二日後に発見されたがヒドく怯えていて、ネコのエージェントからクレームが来た。


5.トリビア(撮影時の話)

「純金映画ブログ」『007は二度死ぬ』(1967年)「あのスペクターが日本で暗躍する五作目」

製作者サルツマンは『007は二度死ぬ』をカンボジアでロケし、その次のボンド役にロジャー・ムーアを起用する計画を立てていたが、政情不安のためカンボジアはロケ地から除外され、ムーアは別の作品に出演する契約をしたという。監督はルイス・ギルバート。スケールの大きい作品になる、ということで当初、監督のオファーを断った。しかし、プロデューサーのブロッコリから「このチャンスを逃すのか?」と言われ、決断。ギルバートは後、『007を愛したスパイ』と『ムーンレイカー』も監督。再編集を担当したピーター・R・ハント。次作『女王陛下の007』では監督に。制作に関して原作の順なら『女王陛下の007』、そして『007は二度死ぬ』になるはずだったが、変更(『女王陛下~』で妻を殺されたボンドが『二度死ぬ』でブロフェルドに復讐、という流れ)。『女王陛下~』の撮影は高所や雪の多い場所を探す必要があるため、保留。後回しになった。原作はイアン・フレミング。しかし、映画化にあたって原作はほとんど使われず、完全に新しいストーリーが新たに作られた。ただ、原作には日本文化について多く書かれており、その名残は本編でもうかがえる。おなじみジョン・バリーが作曲した主題歌「007は二度死ぬ」はフランク・シナトラが断ったため娘のナンシー・シナトラが担当。歌うのが難しい曲だったそうだ。撮影は屋外ロケは日本。室内のシーンはおなじみ「パインウッド・スタジオ」での撮影。スケールが大きいスペクターのアジト(火口の内部にある、という設定。元々は「スペクターは城に住んでいる」という設定だったが、手頃な城が見つからず。ヘリでロケハンしたスタッフが火口の様子を気に入って「スペクターのアジト」にすることに)。巨大なセット制作を担当したのはケン・アダム。あまりにも巨大なセットのためいくらカネがかかるかアダムにもわからない。「100万ドルぐらいかな?」と見積もったところ製作者から「それで行こう」とGOサインが出た。アダムは宇宙船、潜水艦の模型も制作担当。映画上では「Qが作った武装ヘリ」という紹介をされていた小型攻撃用ヘリ「オートジャイロ  ”リトル・ネリー”」。これはイギリス空軍が発明したもの。ただ、本物のオートジャイロは組立式ではなく、スーツケースには入らない大きさ。アメリカ軍が軍用機を飛ばすシーンは本物の戦闘機。ラストの爆発シーンはスペインで(日本では派手な爆発シーンは撮れない)。相撲会場は蔵前国技館。悪役の車が磁石で吊り上げられて海に落とされるシーンは東京湾。大里化学の外観はホテルニューオータニ東京。「忍者の訓練場所」は姫路城。「手裏剣が城の壁に当たるシーン」をマスコミが勘違い。これは別の作り物の壁を使って撮影されたが、「城壁を傷つけている」と誤解。撮影隊は姫路城を追い出されたという。スペクターのアジトがある火口は九州の新燃岳。撮影では悲劇も。映画の撮影中、英国旅客機が墜落事故で乗客乗員全員が死亡。その中には制作スタッフも。監督ギルバート、プロデューサーのブロッコリとハリー・サルツマン、美術デザイナーのケン・アダムもその機に乗る予定だったが、「忍者のデモンストレーションを見るチャンスがある」ということで乗らなかった。また、「リトル・ネリー」とヘリコプター部隊の空中戦の撮影シーンでカメラマンのジョニー・ジョーダンが片足を切断する大事故。病院で足をくっつける手術を受けたが、結局、切断。カムバックしたが、別の映画の撮影で墜落死したそうだ。カリン・ドールは撮影現場で照明が落下する事故。危うく死ぬところだった。忍者がスペクターの基地にロープで下降するシーンはスタントマン。降りる勢いが強すぎて足首を骨折した者も(そのシーンは本編に使われた)。「Q」役のデスモンド・リュウェリンは「半ズボン姿」に不満。「Q」のキャラクターに合わないと思ったそうだ。プレミア上映にはエリザベス女王も出席。しかし、当時は「スパイ映画」ブームに飽きられていた状況。興行収入は減った。公開から約10年後の1978年4月3日、TBS『月曜ロードショー』で日本語版を放送。丹波哲郎と浜美枝が自らのセリフの吹き替え。当時、芸能界を引退していた若林映子は参加せず。ツッコミどころが多い映画だが、それは意図的な演出。シャレが効いた面白い内容となった。

-------------

Amazonショッピングサイトのリンクです。

007 ジェームズ・ボンド ブルーレイ・コレクション<23枚組> (初回生産限定) [Blu-ray]   

0 件のコメント:

コメントを投稿