2025年4月8日火曜日

『ランボー/怒りの脱出』(1985年)「帰還兵が捕虜の救出に再びベトナムへ」

「金洋ロードショー:映画ブログ」ベトナム帰りの元・特殊部隊員が地獄のベトナムで捕虜の救出を行う。見所を紹介。


(YouTube)予告編

1.パート2

『ランボー/怒りの脱出』(1985年)「帰還兵が捕虜の救出に再びベトナムへ」

あれから 3 年後。刑務所送りになったジョン・ランボー(シルヴェスター・スタローン)。採石場でキツい労働。かつての上官サミュエル・トラウトマン大佐(リチャード・クレンナ)がランボーを訪ねる。「ベトナムでアメリカ兵が捕虜になっているという情報があり、(ランボーに)情報収集を手伝って欲しい」とのこと。タイへ飛んだランボーとトラウトマン。作戦の指揮官マードック(チャールズ・ネイピア)は捕虜収容所の写真を撮る任務をランボーに課す。しかし、ランボーは捕虜が悲惨な状態で拘束されているのを見て、「そんな任務など知ったことか」といった態度でベトナム兵と交戦。


2.事情

『ランボー/怒りの脱出』(1985年)「帰還兵が捕虜の救出に再びベトナムへ」

命令違反したランボーを見捨てるマードック。そのせいでランボーはソ連軍に捕らえられ、拷問。しかし、マードックがランボーを見捨てたのは「命令違反」だけが理由ではなかった。ランボーに与えた任務は「見せかけ」のもの。「ベトナムにはアメリカ兵の捕虜がまだ拘束されているのでは?」という国民からの指摘を受けてアメリカ政府は調査をすることになったが、それは「国民をなだめる」のが目的。もし仮に捕虜が発見されればアメリカは解放のための資金の確保や難しい外交交渉をしなければならなくなったり、捕虜奪回のための軍事行動が必要になったりするかもしれない。ベトナム戦ですっかり疲弊したアメリカはベトナム関連で追加の負担が生じるのは避けたいところ。そのため政府には「ベトナムにはアメリカ兵の捕虜はいない」という調査結果が必要だったのだ(この映画によると。現実にそうなのかは知らない)。


3.トリビア

『ランボー/怒りの脱出』(1985年)「帰還兵が捕虜の救出に再びベトナムへ」

監督ジョージ・P・コスマトス(スタローンに頼まれて監督を引き受けた)。脚本は主にスタローン(ジェームズ・キャメロンも少し関与)。主題歌はフランク・スタローン「Peace in Our Life」。前作の公開後、ベトナム帰還兵からスタローンにファンレターが。その中に「捕虜をテーマにした続編を作ってほしい」というものがあり、スタローンは脚本を執筆。完成した第二弾はスーパーハードアクション。「写真を撮るだけ」の任務だったランボーだが、敵を殺害したため「大規模な戦闘&ゲリラ戦」に(もしランボーが素直に命令に従っていたら地味な映画になっていたでしょうな)。そのため一作目とは全然違う作風。ただ、「愛する者」を奪われてランボーが戦いを決意するシーンは前作の時と同じ「目」をしていた印象。撮影前、スタローンは「ランボーの体」を作るために過酷なトレーニング。プロデューサーは捕虜救出作戦でランボーをサポートする「パートナー」としてジョン・トラボルタを起用したいと考えていたらしいが、スタローンが拒否。リー・マーヴィン(一作目では「トラウトマン大佐」役の候補だったが、断った)は「マードック」役をオファーされたが辞退。この役はチャールズ・ネイピアが就いた。「ソ連の軍人」役でスティーヴン・バーコフ(『007 オクトパシー』『ビバリーヒルズコップ』でも悪役。目に特徴がある)。ランボーをピンチに追い込む役でマーティン・コーヴ(『ベスト・キッド』の「コブラ会」でおなじみ。この時は「ベトナム帰りの男」という設定のキャラだった)。ランボーにとっては絶対に許せない「憎ったらしいベトナム兵」を演じたのはジョージ・チェン(端役ではあるが、『ダーティハリー3』などスターが登場する有名作品に数多く出演)。短い間ではあったが、ランボーを愛したコー・バオ。演じるジュリア・ニクソンはオーディションで出演決定。撮影場所はタイでもなければベトナムでもない。メキシコ・アカプルコ。リゾート地から少し離れた所にベトナムのイメージにピッタリのジャングルがあった。そこにあった射撃練習場に稲を実際に植えて水田を作ったり、野原に背の高い草を植えてランボーが敵を追い込む戦場を作ったり。小川が流れるジャングルを水しぶきを上げてランボーらが逃走するシーンがあったが、その川は大量の水を流して人為的に作ったもの。ジャングルに仏像が出てくるシーンがあるが、それは発泡スチロール製。「タイの作戦司令部」はメキシコの空軍基地を借用。セット、模型、実写を組み合わせて迫力のある映像を実現。ハリケーンでセットが壊れたり、屋外で撮影できないハプニング。そういう場合は室内のシーン(ランボーが武器を用意するシーン、ほか)を撮るなどでカバー。アジアではなくメキシコでの撮影だったため、エキストラ役のアジア人はアジア・レストランなどから集めたという。ランボーが船に乗って川を上るシーンは実際は川ではなく湖。その撮影では船が何度も沈むハプニング(多くのスタッフ&機材の重さに船が耐えられず)。また、その湖は汚いため、自らそこでスタントをしたスタローンは水に浸かる撮影後はアルコールで耳などを消毒。「焼けたナイフ(電球をナイフの先に装着して焼けているように見せた)」でランボーが拷問されるシーンでは薬品でスタローンは顔にヤケド(一作目では洞窟のシーンでヤケド)。「滝の爆発シーン」の撮影では特殊効果の担当者が足を滑らせて転落し、事故死するアクシデント。最後の方のアクションでランボーが操縦するヘリを攻撃した「ソ連製」のヘリ。これは「スーパーピューマ攻撃ヘリコプター」というフランス製のヘリを塗装したもの。凄まじい見せ場が満載の内容となったが、ちょっとケチが付いた。前年の1984年、チャック・ノリス『地獄のヒーロー』が公開。内容が『ランボー/怒りの脱出』によく似ていたため、「盗作」騒動。しかし、これは誤解。ジーン・ハックマン『地獄の7人』(1983年。『ランボー』の監督テッド・コッチェフ作)が先に制作されており、この映画を『地獄のヒーロー』『ランボー/怒りの脱出』の製作者が参考にした、ということらしい。映画は似たようなものが多い。パクリだろうが何だろうがキャラクターやストーリーに魅力やオリジナリティがあれば個人的には「OK」としたい。

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