2024年11月26日火曜日

『裸の銃を持つ男』(1988年)「特捜班のどんくさ刑事物語」

「金洋ロードショー:映画ブログ」TVシリーズから映画版へ。レスリー・ニールセンがデリカシーの無いドジ刑事を好演。見所を紹介。

(YouTube)予告編

1.大ドジ

『裸の銃を持つ男』(1988年)「特捜班のどんくさ刑事物語」

レスリー・ニールセンがロサンゼルス市警特捜班の「フランク・ドレビン」を演じる傑作コメディ。何かとドジり、混乱を巻き起こすフランク。しかし、最後は事件を解決。「正義は勝つ」といったキャラ。元々はTVシリーズ『フライング・コップ』のキャラ。この番組は1982年にABCテレビで木曜夜8時に放送され、4話で打ち切り(全6話制作された。2話は放送されなかったのだろうか?)。面白い番組だったが、たったの6話。当時は「ながら視聴」する視聴者が多く、「最初から最後まで観てないと話がわからん」という苦情が来たから、というのが打ち切りの理由(ドラマなのだから最初から最後まで観ないと話がわからんのは当たり前。昔からバカな視聴者は多い)。結局、「裏番組に負けた」というのが終了の理由(TVの小さい画面では細かいギャグをやってもわかりづらいから、というのが理由とされてきたが、それは決定的な理由ではなかったようだ)。TV版ではフランクの相棒「エド」はアラン・ノースが好演。しかし、この映画版ではジョージ・ケネディ。配給会社の指示で大物を起用することになり、「作品に箔をつける」ためケネディが選ばれたという。TV版と同様、フランクに負けないほどの大ボケでエドも活躍。本編は「85分」。時間とカネをかけて撮影されたが、かなりのシーンがカットされた。それは「しょーもなかったから」「試写会で不評だったから」というのが理由。


2.悪役

『裸の銃を持つ男』(1988年)「特捜班のどんくさ刑事物語」

悪役「ラドウィッグ」を演じるリカルド・モンタルバンは『スタートレック』の「カーン」でおなじみ(『新・猿の惑星』(1971年)では結果的に「地球の破滅」につながる重要な役どころ。実際は「敬虔なクリスチャン」。『裸の銃を持つ男』では、おバカな演出内容をめぐって降板しそうになったとか)。ラドウィッグは天皇からペンを賜るほどの大物実業家。それなのに陰ではヘロインの密売(既に大金持ちなのに残念な奴)。フランクの同僚ノードバーグ(O・J・シンプソン)に瀕死の重傷を負わせたことで警察を敵に回す。さらにアメリカを憎む某国のテロリスト、パプシュミア(レイ・バーク)の依頼で英国の女王を暗殺しようとするが、うまくいくかどうか?  そんなラドウィッグの秘書を務めるジェーン(プリシラ・プレスリー)。ラドウィッグの悪事に全く気付いていない。フランクと似たタイプの女。


3.ソックリさん

『裸の銃を持つ男』(1988年)「特捜班のどんくさ刑事物語」

実に多くのキャラが登場。監督デヴィッド・ザッカーの父母(父はカメラマン、母はラドウィッグの秘書「ドミニク」役)やスタッフの関係者が端役で出演。ロサンゼルス市警の鑑識課主任「テッド・オルソン」はTV版と同じ。エド・ウィリアムズが好演。エドの本職は高校教師らしい(何の科目?)。ロサンゼルス市長を演じたナンシー・マーシャン。「市長役」ではあるが、英国のマーガレット・サッチャーに似ている。彼女がフランクらを注意するシーンはホンモノの市長室を借りて撮影。この映画が単なる「おバカ映画」にならないのは強烈なソックリさんが登場していること。ベイルートのシーンに登場するイディ・アミン、ヤセル・アラファト、カダフィー、ホメイニ、ミハイル・ゴルバチョフ、のソックリさん。そしてエリザベス2世。レジー・ジャクソンは本人。あのホメイニを珍キャラ扱いしてぶっ飛ばすシーンは国際的にヤバいシーン。製作陣はイランから狙われたりしなかったのだろうか?


4.トリビア

『裸の銃を持つ男』(1988年)「特捜班のどんくさ刑事物語」

ラドウィッグの汚い工場で悪党と銃撃戦になったフランク。このシーンでレスリー・ニールセンは補聴器を紛失したそうな。クライマックスの野球場のシーンは大ボケギャグの連発。球場の外観は「アナハイム・スタジアム」だったが、球場内のシーンは「ドジャー・スタジアム」で撮影。大観衆の中、ドレビンらが登場するシーンは合成映像。審判やオペラ歌手パラッツオを巻き込んで「エンゼルス vs. マリナーズ」を台無しにするフランクのドジっぷり&ラドウィッグの悪巧みに注目されたい。

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