英国秘密情報部(MI6)の諜報部員が怪しい実業家&ボディガードとフォートノックスで対決。見所を紹介。
(YouTube)予告編
1.第三弾
英国秘密情報部(MI6)の諜報部員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)。ある国で破壊工作をした後はゴールド密輸事件の捜査。ターゲットを監視するだけの任務だったがターゲットの女に手を出すなど相変わらずの「女好き」。
2.悪役
ボンドに監視される怪しい実業家オーリック・ゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)。その名の通り「ゴールドを愛する男」で、ゴールドの保有を増やすためなら何でもやる。どのような手段で金塊を密輸しているのか? ゴールドフィンガーの手下は「オッドジョブ(よろず屋)」(ハロルド坂田)と呼ばれるアジア系の男(「韓国人」と説明している資料も)。ゴルフボールを握りつぶすほどの凄まじい怪力で、殺人者。ゴールドフィンガーの「グランド・スラム計画」に協力する中国人リン(バート・クウォーク)。どうやらこの計画には中国共産党が背後にいるらしい。パイロットのプッシー・ガロア(オナー・ブラックマン)もこの悪の計画に関与。操縦する飛行機で毒ガスを町中に撒き散らす役目。
3.トリビア(キャスティング)
おなじみ「ボンド」を演じるコネリー。しかし、このあたりから心境に変化。「ボンド以外の役もやりたい」ということでアルフレッド・ヒッチコック監督『マーニー』に出演。そのため、フロリダ州マイアミビーチでのロケには参加せず。代役を使い、顔がアップになるシーンは後日、スタジオ(おなじみ「パインウッド・スタジオ」)撮影。結局、フロリダのシーンに登場するのはフェリックス・ライター役のセク・リンダーのみ。登場シーンがあるゴールドフィンガー役のフレーベもフロリダには行かなかった。MI6の局長「M」(バーナード・リー)はボンドに「ゴールドフィンガーの密輸手段」の調査を命じる役どころ。マネーペニー役はおなじみロイス・マクスウェル。MI6の道具屋「Q」はデスモンド・リュウェリンで、特別仕様のアストン・マーティンをボンドに提供する役どころ。「私は冗談は言わんよ」のセリフにも注目されたい。ゴールドフィンガー役にフレーベがキャスティングされたのはプロデューサーがドイツ映画での演技(異常者の役)を見たのがキッカケ。実は英語がほとんど話せないドイツ人のフレーベ。セリフのほとんどを吹き替えられたが、ボンドがフォート・ノックスの模型の下に隠れるシーンでフレーベの肉声が流れる。また、フレーベには「ナチ党だった過去」のウワサ。そのためイスラエルでは一時的に上映禁止。しかし、第二次世界大戦中にフレーベがユダヤ人家族を迫害から守ったことがあったらしく、禁止は解除された。オナー・ブラックマンは当時、『アベンジャーズ』に出演して人気があったことから抜擢。何とボクシングと柔道の経験。ボンドを投げ飛ばすシーンを見せることができた。ただ、「プッシー・ガロア」という妙な役名が物議。ブラックマンは気にもしなかったが、アメリカでは「ミス・ガロア」と呼ばれることになった。ゴールドフィンガーの愛人で金粉で殺される役を演じたシャーリー・イートン。全身を金色に塗るのに1時間半かかったとのこと。ハロルド坂田はハワイを拠点とする日系人プロレスラー(オリンピックの重量挙げ銀メダリストでもある)。ガイ・ハミルトン監督がレスリング番組で見て、起用を決定。「タフ男」坂田だが、感電死するシーンで手にひどい火傷を負った。冒頭でボンドに殺される刺客について。元々、出演予定だった男は実は「コソ泥」で、撮影前に逮捕。代役が見事に演じたが、熱い蒸気でヤケド。電気ショックで死ぬシーンだったが、演技ではなく本当に苦しんだ。「ガス攻撃」で倒れる兵隊役の人たちは10ドルのギャラをもらった。
4.トリビア(撮影時の話)
コミカルな演出が入った第三弾。製作陣(アルバート・R・ブロッコリ&ハリー・サルツマン)が『ゴールドフィンガー』を3作目のボンド映画に選んだのは『女王陛下の007』は準備に十分な時間が取れず、『サンダーボール作戦』は原作の権利に関して訴訟中だったため。監督はガイ・ハミルトン。一作目と二作目のテレンス・ヤングは降板し、別の作品を制作。ハミルトンは『ドクター・ノオ』の監督を断ったことがあるが、ショーン・コネリーとは旧知の仲(コネリーがボンドを演じる前から)。また、原作者イアン・フレミングとも知り合い。共に第二次世界大戦中にイギリス海軍で諜報活動に関わっていた過去がある。フレミングは撮影現場を訪れたが、公開一ヶ月前に亡くなった。そのためフレミングが鑑賞できたのは『ドクター・ノオ』と『ロシアより愛をこめて』の二本のみとなった。『ロシア~』に参加しなかったボブ・シモンズがスタントコーディネーターとして、ケン・アダムが美術監督として復帰。特にアダムはフォート・ノックスのセット作成で大きな貢献。アメリカが金塊を保管する重要施設である「フォート・ノックス」。機関銃で武装され、何とアメリカ大統領ですら入れない所らしい。何とかその周辺での撮影許可を得たが、撮影隊が低空飛行を行って軍とトラブル。また安全上の理由から、近づくことも許されず、内部での撮影は当然のように不可能。そのためケン・アダムが想像力を発揮。フォート・ノックス内部のセットをパインウッド・スタジオに製作。そのセットのリアルさに「ユナイテッド・アーティスツ」に「イギリスの映画隊がどうしてフォート・ノックスに入ることが許されるのか!」と映画を観た人々から怒りの手紙が届いたという。今回の予算は300万ドル。そのため豪華なセットを作ることができた。ジョン・バリー作曲でシャーリー・バッシーの歌う「ゴールドフィンガー」は英米でヒット。「アカデミー賞(音響編集賞)を受賞した最初のボンド映画」となった。愉快なアイデアもいろいろ。アストン・マーティンに「回転式ナンバープレート」。これはハミルトン監督自身が何度も駐車違反切符を切られた経験から思いついたもの。「助手席が飛び出す装置」はハミルトンの息子のアイデア。「車輪破壊スパイク」は映画『ベン・ハー』のレースのシーンをヒントを得たアイデア。女性の車を台無しにするシーンは路上ではなくスタジオで「作り物のタイヤ」を使って撮影。その他にもアストン・マーティンに多彩な装置が付けられているという設定であったが、「マネされると困る、悪用されるおそれのあるアイデア」はボツになった。この車のミニカーが大売れ。14金製のものも限定7500台販売。今では相当な値打ちモノだとか。車のシーンでインパクトがあったのが始末されたマフィアが車ごとスクラップにされるシーン。何と新品のリンカーン・コンチネンタルを本当に粉砕。ただ、粉砕前にエンジンが取り外されるなど、オッドジョブが操縦する車両に乗せられる重量にするために部分的に切断された。コネリーはこの映画でゴルフ初体験。以後、ゴルフ狂に。しかし、オッドジョブに後ろからチョップされるシーンで背中を負傷(力加減のミス。ハロルド坂田がプロレスラーであって役者ではないことによって生じたハプニング)。他にもコネリーはギャラをめぐる争い(後の降板につながる不穏な出来事)。そのトラブルが原因かどうかはわからないが、この映画ではボンドが苦しめられるシーンが多かった。金の板に縛り付けられたボンドがレーザー光線で切断されそうになるピンチのシーン。光線は作り物で後から映像処理で追加されたもの。レーザーが金属板を切り裂くシーンは板の下からバーナーで金属を熱してレーザーが金属を切り裂いているかのように見せるトリック。ドイツ人のフレーベはゴールドフィンガーが毒ガスを使うシーンに難色。ナチスのイメージを持たれることを嫌がったが、監督に説得されて受諾。制作のハリー・サルツマンもトラブル。何と勝手に「ジレット社」とスポンサー契約。作品中にジレットの製品を強引に出そうとしたが、監督ハミルトンはこれにイラついて全て撤去してしまった。大ヒットとなった『007/ゴールドフィンガー』。これに刺激されて「秘密諜報員モノ作品」がちょっとしたブームに(ジェームズ・コバーンの『フリント』シリーズほか)。ややコミカルな演出とツッコミどころが目立つ内容(監視するだけなのにターゲットの女に手を出すボンド、わざわざ金粉で殺害、金塊を積んだ車ごとスクラップ、など)。そういった「遊び心」が加わったことでさらにシリーズが人気化。しかしそのことで「シリアス路線」のサルツマンと「娯楽派」のブロッコリが対立。関係解消につながっていく。
Amazonショッピングサイトのリンクです。




0 件のコメント:
コメントを投稿